面倒な家事の中には、小さな幸せがたくさん隠れていた。そう明かすのは、サイト「エコナセイカツ」を運営するシンプルライフ研究家のマキさん。マキさんの新刊『笑う家事には福来る』（主婦の友社）は、生活全般にわたる「楽」家事のヒントをたくさん詰め込んだ目からウロコの家事応援BOOKだ。
ご飯作りに掃除に洗濯、買い物、ゴミ出し、お皿洗いなど家事には際限がない。やってもやっても新しい家事が生まれるのにも関わらず、あまり感謝されないからこそ、家事に対して「正直面倒」「自分ばかりがして、家族が協力してくれない」と、マイナスイメージを抱いていないだろうか。でも、「考え方ひとつで変わる。家事には、それをやった人にしか感じられない小さな幸せ」があることを、マキさんは教えてくれる。
コーヒーを淹れようと思ったら粉が切れていた。新しいコーヒーの封を開けるのは面倒だと思いながらハサミを入れるのか、ひきたてのコーヒーの香りをかげると思いながら開けるのとでは充実度がまるで違う。シーツを洗うのはスルーしようと思うのか、お日さまの匂いに包まれながら眠ることを想像しながら洗濯するのかでも、家事の印象は変わると、マキさんは気づいていた。
どう思いながら家事をするのか。その選択権があるのは家事をする人です。
本書には、「だれのためでもない、家事をするのはいつでも自分が気持ちよくいたいから」というマキさんのマインドが気負いのない言葉で綴られている。
また、物が多すぎてますます家事が億劫になるのも多くの人が抱える悩み。どうしたらいい、今度の週末こそはと思いながら、ああ、またできなかったと余計なストレスを抱えることに。マキさんは、焦点を「物」ではなく「ストレス」にシフトしてみると、不要な物を手放すことがストレスを捨てることにつながり、心を整理できるのではと提案する。いつか使うかもしれないものをきっしり抱え込むより、今を大事にするための選択をしたい。そこが「楽」家事のポイントなのだ。
マキさんは、ふと時間ができたときや心に余裕のあるときにやる「ついでの家事」を月ごとにまとめている。日頃の忙しい自分を助けてくれる「家事貯金」になるという。
たとえば、「チューリップを買ったついでに花瓶をきれいにしよう」「庭木の花見に備えて窓拭きをしよう」など、自分の日常をいつくしむ気持ちを主体にしている。
著者のマキさん自身も家事が苦手だったからこそ辿り着けた、日々が輝く家事マインド。
これを読んだ人が、少しでも「家事もいいものだな」、「自分はこれを楽しんでみよう」、「ちょっと休んでもいいんだ」と思ってもらえたら、嬉しいです。
2人の娘さんの子育てをしながら、メディアで家事や暮らしのヒントを発信しているマキさん。「家事」をライフワークにできる人は、日々の小さな選択が上手い。スマホの充電器をどこに置けば便利か、からだを洗うせっけんの素材や香りはどんなものがいいか、「名もなき家事」と呼ばれることも、選択の自由はすべて、それを担う人にある。時間と家事に追われていると、面倒にしか思えない日もあるが、その中に潜んでいる小さな幸せをだれにでも見つけられるのではないかと、向き合い方を見直すきっかけになる一冊だ。
目次は次の通り。
PART1 笑う家事には福来る
気持ちの整理、環境づくり、料理、食事、
買い物、掃除、片づけ、洗濯、子育て、もの選び......
家事を少し、楽にするヒントを紹介。
PART2 12カ月のついでの家事ごよみ
Column01
家事のモチベーションを上げるもの選び
食事、料理編
Column02
家事のモチベーションを上げるもの選び
掃除、洗濯、片づけ、環境づくり編
■マキさんプロフィール
シンプルライフ研究家。夫と2人の娘と暮らすワーキングマザー。サイト「エコナセイカツ」やDMMのオンラインサロン「シンプルライフ研究会」でシンプルに心地よく生きるための家事のコツや心がけ、暮らしが楽になるヒントを発信。講演、ブランドとのコラボ企画、住宅プロデュースなども手がける。
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