本を知る。本で知る。

「邪悪な感情」で、自分を壊さないための考え方。

私の中のこの邪悪な感情をどうしよう?

 「なぜ、こんなにも生きづらいのか? 怒り・憎しみ・悔しさ・不安・恐れ......ネガティブな感情で自分を壊してしまわないために」

 著書累計250万部。あの伝説のパーソナルモチベーター、11年ぶりの書き下ろし最新作!

 石井裕之さんと、石井さんが主宰するコミュニティ「沢雉会(たくちかい)」のメンバーによる共著『私の中のこの邪悪な感情をどうしよう? 自分のこころを壊さないためのヒント』(祥伝社)が刊行された。

 2008年、東京国際フォーラムの単独講演で5000人を動員した石井さん。11年前の出版以降、新刊を出したり講演会を開催したりすることはなかった。この10年ほどで世の中は大きく変わり、「信じられないほど不寛容でいじわるで攻撃的な世の中」になった、と感じている。

 「怒りや憎しみ、攻撃性、他人への過剰なまでの警戒心。僕ら自身の内側に、こういった『邪悪な感情』が衝き上げてきて、どうしようもなく暴れはじめています。僕たちは、優しさや、思いやり、人を信じるこころを、うしないはじめています。こんな時代だからこそ、こころある人たちほど苦しんでいる。そういう人たちが、みずからの『邪悪な感情』でこころを壊してしまわないように、いま、いまだからこそ、この本を書かなくてはならない。そう思いました」
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著者の石井裕之さん

 本書は「第1章 なぜ、こんなにも生きづらいのか?」「第2章 人生を輝かせるために」「第3章 私の中のこの邪悪な感情をどうしよう?」の構成。

 「なぜ、自分を好きになれないのか?」「なぜ、キミには居場所がないのか?」「なぜ、自信がもてないのか?」「悔しさや憎しみをどうしよう?」「嫌な記憶をどうしよう?」「死にたい気持をどうしよう?」......。

 いくつもの「なぜ?」「どうしよう?」に結論を出しながら、全編をとおして「キミを守ってくれる存在はかならずいる」とのメッセージを伝えている。

愛のない人間は歯車

 ここでは、第3章から「悔しさや憎しみをどうしよう?」を紹介しよう。

 たとえば、通勤電車で誰かからいわれのない侮辱を受けたとする。その場はぐっと堪えても、悔しさは何日たっても消えず、思い出すたびに憎しみが大きくなっていく。他人から理不尽な悪をふっかけられたことで、いつしか自分自身が悪になってしまう。

 次に、たとえば、ゲリラ豪雨にあってずぶ濡れになったとする。大事な商談があり、いちばんいいスーツを着てきた日に限って。「マジかよ。ふざけんなよ!」と怒りをぶつける。ただ、その怒りが何度も蘇って暴れることはない。

 このふたつの違いはなにか。それは「自由があったかなかったか」だという。豪雨には自由がなかった。だから「まあ、ついてなかったな」と思える。一方、通勤電車で侮辱してきた人物には自由があった。自分で選んでキミを侮辱した。

 そこで、フランスの思想家シモーヌ・ヴェイユの考え方を紹介している。それは「愛のない人間は、自然現象や機械と同じだ、たんなる歯車だ」というもの。

 「悪意をもつ人はほんとうは自由をもっていない。自分では自由に悪意をいだいているのだと思っていますが、実際はそうではなく、転がされた石と同じように自然の歯車装置に動かされているだけ。だから、自分を侮辱した人物への怒りだって、急に降ってきた雨に対する怒りと同じようなものとして受け止めることができるはずだということです」

あえて、相手のしあわせを願う

 人から悪意を向けられたら、たいてい反射的に悪意で応戦する。つまり、そのときは自分も歯車になっている。しかし、悪意に対して善意で応えるなどそうそうできることではない。

 そこで、聖書の言葉を紹介している。それは「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。家の人々がそれを受けるにふさわしければ、あなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる」というもの。

 「憎しみによって自分自身のたましいを焼きつくすよりも、あえて、その相手のしあわせを願うこと。相手がしあわせに値しない腐った人間であればあるほど、キミが願ったそのしあわせはキミ自身に降ってくるから」
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 とても他人には見せられない、自分の中にある「邪悪な感情」の数々。その1つ1つについて、こんなふうに考えたらいいのか! と気づかされる。最後に、石井さんが考えるもっとも「邪悪な感情」とは。

 「それは、『自分を守ってくれる存在などどこにもいないのだ』と思ってしまうことです。(中略)どんなに現実が思いどおりにいかなくても、どんなに自分だけが取り残されたように思えても、キミを守ってくれる存在はかならずいるということを忘れてはいけません」

 本書のどこかに「秘密のメッセージ」が隠されている。それを探しつつ、いま書かなくてはならなかった言葉を、受けとってほしい。


■石井裕之さんプロフィール
 1963年東京都生まれ。パーソナルモチベーター。セラピスト。2008年に東京国際フォーラムにて5000人を集めるセミナーを開催。ベストセラー著書は、『ダメな自分を救う本』(祥伝社)、『「心のブレーキ」の外し方』(フォレスト出版)など。

■押切佑美さんプロフィール
 1985年生まれ。北海道在住。介護職員。

■小川めぐみさんプロフィール
 1990年生まれ。法律系事務所に勤務。

■大槻弥生さんプロフィール
 1972年京都府生まれ。一児の母。


※画像提供:祥伝社


  • 書名 私の中のこの邪悪な感情をどうしよう?
  • サブタイトル自分のこころを壊さないためのヒント
  • 監修・編集・著者名石井 裕之、押切 佑美、小川 めぐみ、大槻 弥生 著
  • 出版社名祥伝社
  • 出版年月日2022年4月10日
  • 定価1,540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・200ページ
  • ISBN9784396617790

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