誰かのあの一言が気になって、なんだか眠れない。そんな日はないだろうか。
「上司の高圧的な言い方はなんで?」
「友達に相談したら、なんか上から目線?」
「親の言ったことだから従うべきかな?」
「ご近所のあの人、いつも仕切ろうとでしゃばるよな」
「SNSのコメントのレス、お前がわかってない!」
たとえば、こんなエピソードがある。「漫画の神様」とも呼ばれるあの手塚治虫さんが、『ゴルゴ13』で知られるさいとう・たかをさんの描く劇画に対して、「こんな子どもらしくない漫画はいけない」と酷評したことがある。
漫画の神様が言うならそうなのかも? と思ってしまいそうだが、実はこれ、さいとうさんを「ライバル」と恐れたからこその発言だったそうだ。手塚さんが同業者をこき下ろすようなことを言ったのは、実はこの時だけではない。新しい分野を切り開こうしたさいとうさんへの嫉妬心があったのだろうと言われている。
さいとうさんは手塚さんの言葉をスルーし、むしろ奮起の材料にして、以後数々の大ヒット作を生み出した。手塚さんのように名声を得た人や地位のある人、時に人格者と言われている人でさえ、時としてそうした発言をすることがある。そう考えると、普段上司や友人の言葉に振り回されているのが、バカバカしくなってくる。
「言葉は大事だ」という考え方を、一度捨ててしまおうとみきさんは言う。他人の言葉は、その人自身の不安定さの表れであったり、ときには因縁をつけるために利用していたりと、真に受ける必要がないものばかりだ。
本書では、「言葉にはそれほど価値がない」ことの証拠と、価値のない言葉に振り回されてしまうメカニズム、他人の言葉をスルーする実践的な方法を解説している。他人の言葉に振り回されがちでしんどいあなた、ぜひ本書で言葉に対する「スルースキル」を身につけ、今までよりもラクな毎日を手に入れてほしい。
■みきいちたろうさんプロフィール
心理カウンセラー、公認心理師。
大阪生まれ。大阪大学文学部卒、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。在学時よりカウンセリングに携わる。大学院修了後、大手電機メーカー、応用社会心理学研究所、大阪心理教育センターを経て、ブリーフセラピー・カウンセリング・センター(B.C.C.)を設立。トラウマ、愛着障害などのケアを専門にカウンセリングを提供している。
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