ランチに誘われたけれど断りたい、お客さんがいつまでも腰を上げる様子がなくて困る、顔は分かるんだけど、この人、誰だったっけ......? そんな、ちょっと言い出しづらいシチュエーションでは、言葉選びに悩む。
リアルな場面では笑顔で取り繕うことができても、リモートワークで文面でのやり取りが多いとさらに誤解が生じやすい。そんなつもりはないのに不愛想な印象を持たれてしまったという方も多いだろう。
対面でもリモートでも、優しく信頼される言葉遣いをマスターしておきたい、という方にぜひ読んでほしいのが、『「ふつうの人」を「品のいい人」に変える 一流の言いかえ』(光文社)だ。
著者は、『「育ちがいい人」だけが知っていること』シリーズ(ダイヤモンド社)が62万部を超えるベストセラーになっているマナー講師の諏内えみさん。
冒頭の、誘いを断りたい時や、来客に帰ってほしい時など、困った時に出る一言にこそ、その人の「品」が表れるという。品のいい人の言葉は角が立たず、相手を傷つけずにすむ。
本書の「言いかえ」をマスターすれば、失礼ととられかねない表現が、一流の言葉遣いにアップグレードされる。
たとえば、次のようなシーン。あなたは、ふつうの人?それとも、品のいい人?
・ふつうの人「忙しいので」
→品のいい人「慌ただしくしておりますので」
・《ご主人はどちらにお勤め?》ふつうの人「あ...それはちょっと...」
→品のいい人「会社名は申し上げらないんですけど、IT関係です」
・ふつうの人「すいません、お名前を忘れてしまいまして...」
→品のいい人「すみません、人の名前を覚えるのが苦手でして...」
・ふつうの人「頑張って」
→品のいい人「お祈りしています」
・ふつうの人「陰ながら応援しています」
→品のいい人「私にできることはありませんか?」
なるほど、相手への気遣いを感じさせる言葉づかいだ。なかなかすぐには出てこないので、本書で予習しておきたい。最初は丸暗記でも、口に出しているうちに「相手ファースト」の心がまえも自然と身につくのではないだろうか。
こんな時、自分ならどう言われたら嫌な気持ちにならないだろう、という想像力を働かせつつ、言葉遣いから「品のいい人」を目指してみてはいかがだろうか?
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