1日1回ツイッターでつぶやく「あるあるネタ」が話題のお笑い芸人・つぶやきシローさん。このたびブックレビューを発売した。タイトルは、『こんな人いるよねぇ~ 本を読んでつぶやいた』。一味違うのが、ブックレビューでも「あるある」をつぶやいているところだ。
本書では、つぶやきシローさんが読んだ本の内容や登場人物から連想される日常の「あるある」が書かれている。小説、コミックス、新書、自然科学書など、幅広いジャンルをカバーしている。
たとえば、伊藤由美さんの著書、『できる大人は、男も女も断わり上手』(ワニブックス)では、自身がWebの連載で、本を紹介する仕事を頼まれたとき、断れなかったエピソードを披露。2人のスタッフによる積極的なプレゼンに引き込まれ、彼らの熱意にほだされて、結局引き受けることに。「2人ともいい人だったので、最後の方は断るどころか連帯保証人になってもいいとさえ思ってしまいました」と書いている。
"都合のいい人っているよね"
脱力系でかわいらしいイラストは伊藤ハムスターさんによるもの。こちらもクスリと笑えてしまう。
ほかにも、「聞いてないのに勝手に自分のプライベートを発表する」(脳はなにげに不公平 パテカトルの万能薬/池谷裕二(著)/朝日新聞出版)/光文社)「偉人の名言を、自分の言葉にしてしまう」(ざんねんな偉人伝/真山知幸(著)/学研プラス)「何歳に見える?」って、試してくる(「わかってもらいたい」という病/香山リカ(著)/廣済堂出版)......など、皮肉のきいた、ユーモアのある「つぶやき」で、本にどんなことが書いてあるのか、がぜん興味が湧いてくる。
目次は下記の通り。
相手のことを思うと断れなくなっちゃう......10
(できる大人は、男も女も断わり上手/伊藤由美(著) /ワニブックス)
出かけるのにまだ準備ができない......18
(昆虫はすごい/丸山宗利(著)/光文社)
「クレームとかやめてね」って先手を打つ感じ......28
(おじさん図鑑/なかむらるみ(著)/小学館)
「ひとり飯」の陰と陽をかみしめる......38
(佐藤ジュンコのひとり飯な日々/佐藤ジュンコ(著)/ミシマ社)
偉人の名言を、自分の言葉にしてしまう......48
(ざんねんな偉人伝/真山知幸(著)/学研プラス)
「怒り」でどこまでも突き進む......58
(どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた/石川善樹、吉田尚記(著)/KADOKAWA)
不倫しやすい、不倫されやすい......68
(はじめての不倫学 「社会問題」として考える/坂爪真吾(著)/光文社)
円を描けない数学の先生......78
(残念な教員 学校教育の失敗学/林純次(著)/光文社)
殊勝な態度で下からいくことで世間にPRしようとする......88
(他人を攻撃せずにはいられない人/片田珠美(著)/PHP研究所)
和菓子の「最中」を「さいちゅう」って読んじゃう......98
(言ってはいけない 残酷すぎる真実/橘玲(著)/新潮社)
聞いてないのに勝手に自分のプライベートを発表する......108
(脳はなにげに不公平 パテカトルの万能薬/池谷裕二(著)/朝日新聞出版)
大型電気量販店に行くとテンション上がる......118
(ほしいものはなんですか?/益田ミリ(著)/ミシマ社)
「何歳に見える?」って、試してくる......128
(「わかってもらいたい」という病/香山リカ(著)/廣済堂出版)
狙った獲物は必ず半額で買う......138
(0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方/鶴見済(著)/新潮社)
自分のケーキを奪われても、グッと堪えてしまう......148
(漫画 君たちはどう生きるか/吉野源三郎(原作)、羽賀翔一(漫画)/マガジンハウス)
文句言われる前に宣言する......158
(不機嫌は罪である/齋藤孝(著)/KADOKAWA)
片言だけど、日本語で話しかけてくれる外国人......166
(コンビニ外国人/芹澤健介(著)/新潮社)
○○をやめてイライラしている......176
(もうすぐ絶滅するという煙草について/芥川龍之介、開高健、中島らも、内田樹、松浦寿輝、吉井由吉ほか36人(著)/キノブックス)
相手のことを考えず今、聞きたいことを聞く......186
(対人距離がわからない どうしてあの人はうまくいくのか?/岡田尊司(著)/筑摩書房)
「考えさせられた」としかこたえない......194
(東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方/上田正仁(著)/PHP研究所)
席を譲られても、かたくなに断り続ける......202
(未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること/河合雅司(著)/講談社)
ため息をついて相手の反応をうかがう......212
(どうしても嫌いな人 すーちゃんの決心/益田ミリ(著)/幻冬舎)
話す時、名詞が出てこなくなっちゃう......222
(読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術/印南敦史(著)/星海社)
いない人の悪口を言う時の結びは「しらんけど......」......232
(友だち幻想/菅野仁(著)/筑摩書房)
店主導のサービスを押しつけてくる......240
(酒にまじわれば/なぎら健壱(著)/文藝春秋)
友達と廊下でプロレスごっこをしては先生に怒られてしまう......250
(木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上)/増田俊也(著)/新潮社)
女心がつかめずいつも失敗してしまう......260
(来世ではちゃんとします/いつまちゃん(著)/集英社)
あなたの周囲にもいる、困った人や苦手な人、「いい人」を演じている人などを、「読書案内」というかたちで鋭く観察した本書。読書の楽しみ方を広げてくれそうな1冊だ。
■つぶやきシローさんプロフィール1971年3月10日栃木県出身。愛知学院大学心理学科卒業。 著書には、『3月生まれあるある』(さくら舎)、小説『私はいったい、何と闘っているのか』(小学館)、小説『イカと醤油』(宝島社)、『つぶやき隊』『みんなのつぶやき隊』『新しいつぶやき隊』(いずれもTOブックス)などがある。
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