老いるのが早い人と遅い人とでは、何が違うのか。そもそも人はどのように老いていくのだろうか。最先端医学でそのメカニズムを知ると、「老いない生き方」のヒントがわかるという。
本書、『順天堂大学の老年医学に学ぶ 人はなぜ老いるのか』(世界文化社)は、ミトコンドリアとの共生に始まる生物の歴史を辿ることで、生命と老いのメカニズムに迫り、「老いない生き方」を考えていく。
赤ちゃんのみずみずしい肌は水の潤いによるもの。老いを防ぐには体内の水分維持が大切だ。細胞内でエネルギーと水を作り出すミトコンドリアの機能を保つことが重要となる。
水分量の低下は見た目の老いをも引き起こす。ミトコンドリアがうまく働かないときは、水が作られず活性酸素が大量に作られてミトコンドリアはさらに傷む。そして、結果的に体が消耗することになるという。
細胞は機能不全を起こすミトコンドリアを見つけて自食作用で分解しようとする。この機能は、「マイトファジー」と呼ばれる。マイトファジーが円滑に行われているのが正常細胞で、いつまでも若くて元気な人は、この機能が活発なのだという。
また、腸内細菌のバランスの崩れは、認知症やうつなど脳の問題にも関与していることがわかってきたという。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌にも腸内細菌は深く関わっている。腸内環境のバランスを整えることは、若さの維持のために重要なのだ。
「まごわやさしい」はよく耳にするが、本書ではこれに「た」と「ち」を加え、「まごたちわやさしい」食事を提唱。「まめ、ごま、たまご、ちち、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いも」の9つの食材が、腸内環境を整える。これらの食材をバランスよくとれるのが、「和食」だ。
若々しさを保つのに重要なのは、特別なことではない。腹八分目でバランスのとれた食事を意識しよう。
老いのメカニズムを知れば、自分が若々しくいるために何に気を付ければよいか見えてきそうだ。
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