一見「いい人」なのになんだかモヤモヤする人、あなたの周りにもいないだろうか。
なんでも教えてくれるけど、上から目線で偉そうだと思われる「アドバイスさん」。
率先して動いてくれるけど、人がついてこない「孤高のリーダーさん」。
誰にでも優しいけど、どっちつかずだとやっかまれる「八方美人さん」。
親切だけど、自分の株を上げたいのが見え見えな「人助けさん」。
決断は速いけど、思慮が浅くて短絡的な「即断即決さん」。
一般的には「いい人」とされるのに、なぜか嫌われてしまう。その理由は、「進化」にあった。
謎を解くのは、進化心理学者の石川幹人さん。石川さんいわく、いい人なのに嫌われる理由は、「太古の時代の"いい人"と、現代の"いい人"がズレている」からだ。私たちの本能が感じる「いい人」は太古の昔から変わっていないのに、現代の文明社会で求められる「いい人」は、それとは違う。だから、現代の尺度で「いい人」でも、本能レベルでなんだかモヤモヤしてしまうのだ。
石川さんの著書『いい人なのに嫌われるわけ』（扶桑社）で、17タイプの「いい人なのに嫌われる人」を進化心理学の観点から解説。周りにいる「いい人なのに嫌われる人」とうまく付き合う方法と、自分が「いい人なのに嫌われる人」かもと思ったらとるべき改善方法も、タイプごとに提案している。
「いい人なのに苦手なのは、私の心が狭いせいかも」と、悩む必要はもうない。進化心理学をヒントに、現代社会での気持ちのよいコミュニケーション方法を本書で知ろう。
【目次】
はじめに
序章 「いい人」は時代によって変わる
第1章 みんなに"あげすぎ"な人たち
・ギフトさん 太っ腹だけどお返しがプレッシャー
・人助けさん 親切だけど自分の株を上げたいのが見え見え
・アドバイスさん なんでも教えてくれるけど上から目線で偉そう
・お金配りさん 人を助けているのにこれ見よがしで嫉妬される
第2章 その"いい性格"がアダになる
・気遣いさん 繊細で気が利くけど過敏すぎて面倒くさい
・八方美人さん 誰にでも優しいけどどっちつかずとやっかまれる
・倹約家さん 堅実で節約上手だけど周りは窮屈で興ざめ
・激推しさん 信じたものには一筋だけど騙されやすい
第3章 ポジティブすぎてやっかいなあの人
・すごい実績さん 実績や評判は華々しいけど実態が伴わない
・高い理想さん 魅力的な理想は語るけど口先だけで実行力がない
・即断即決さん 決断は速いけど思慮が浅くて短絡的
・自由な個人さん 組織に縛られないけど、いついなくなるかヒヤヒヤ
第4章 「仲間のため」にご用心
・チーム孝行さん 「みんなのため」が口癖だけど見返りは得られない
・君だけにさん 「秘密」を教えてくれるけど一緒に背負うのが重い
・フォロワーさん 賛成してくれるけど、すり寄っているだけ？
・孤高のリーダーさん 率先して動くが人がついてこない
・仲間意識さん 結束力は強いけど、仲間意識を強要しがち
おわりに
■石川幹人（いしかわ・まさと）さんプロフィール
1959年、東京都生まれ。進化心理学者、明治大学情報コミュニケーション学部教授、博士（工学）。東京工業大学理学部応用物理学科（生物物理学）卒。松下電器産業（現・パナソニック）で映像情報システムの設計開発、ホームページ知的検索システムなどの研究開発に従事したのち、通商産業省（現・経済産業省）の国家プロジェクト「第五世代コンピュータプロジェクト」に参画し、人工知能研究に従事。明治大学文学部助教授、同教授、米国デューク大学客員研究員、明治大学情報コミュニケーション学部学部長、同大学院長を歴任。大学で教鞭を執る傍ら、科学リテラシー教育や科学コミュニケーションの啓蒙活動にも力を入れている。『チコちゃんに叱られる!』『サイエンスZERO』（NHK）ほか多くのテレビやラジオ番組に出演。主な著書に『その悩み「9割が勘違い」』（KADOKAWA刊）、『生物学的に、しょうがない！』（サンマーク出版刊）ほか多数
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