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中学を卒業した春、わたしは母に整形させられた。

親に整形させられた私が母になる エリカの場合

 エリカは、中学を卒業した春、母のすすめで整形をした。

 容姿も部活も進路も、全部、母が理想を押しつけてくる。エリカはずっと母の言いなりだった。『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)は、著者のグラハム子さんの経験をもとにしたコミックエッセイだ。


はじめて母に
容姿のことを言われたのは
小学校低学年の時

「一重で可哀想に......
中学卒業したら整形させてあげるからね」

 母はエリカにずっと理想を押しつけていた。エリカの好きな服を、自分が気に入らないからと切り裂き、「ショートの方が明るくて活発な子に見える」と言って伸ばしていた髪を切り、部活や人間関係にまで干渉してくる。

「お母さんはエリカのためを想って言っているの」
「医師とか弁護士とか......立派な夢なら応援できるわよ」
「整形までさせてあげる親なんてめったにいないわよ 感謝してよね!」

 エリカは常に母の顔色をうかがい、母の理想に押し込められて生きてきたが、ついに心の限界がきて摂食障害になってしまう。


 グラハム子さんの体験をつづったウーマンエキサイトでの連載をもとに、設定などを変更して再構成した本書。フィクションではあるが、書かれているのはリアルな毒親とその子の姿だ。

 母の呪縛にがんじがらめにされて生きてきたエリカも、いまでは自身が母親に。エリカはどう呪縛を解き、どう我が子を育てていくのか。

 特殊な事例に見えて、「理想」や「外見」、「誰かの押しつけ」に縛られる経験は、誰にとっても他人事ではないのでは。エリカが呪いを乗り越え、自分の幸せを手にするまでをあなたにも見守ってほしい。

■グラハム子(ぐらはむこ)さんプロフィール
 漫画家。1980年代生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
 卒業後は公立中学校で美術教師として働き、結婚を機に退職。
 夫と2人の子どもと暮らしながら、SNSで育児絵日記の投稿を続けている。 著作に『女子校デイズ』(KADOKAWA)や『美淑女戦隊オバサンジャー』(KADOKAWA)がある。


※画像提供:KADOKAWA


  
  • 書名 親に整形させられた私が母になる エリカの場合
  • 監修・編集・著者名グラハム子 著
  • 出版社名KADOKAWA
  • 出版年月日2022年2月18日
  • 定価1210円(税込)
  • 判型・ページ数A5判・192ページ
  • ISBN9784046810069

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