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精神疾患の75%は25歳未満で発症。子どもの「心の病気」サインを見逃さないために

心の病気にかかる子どもたち

   不登校や自殺の原因にもなる若い世代の心の病気。うつ病、統合失調症、不安症、摂食障害といった精神疾患は、約75%が25歳未満に発症するという。不調の兆しに早く気付くことがいま、社会全体の課題となっている。

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   2022年1月20日『心の病気にかかる子どもたち―精神疾患の予防と回復―』(朝日新聞出版)が発売された。

   2022年度からは、高校の保健体育の授業で「精神疾患の予防と回復」が扱われるという。本書の著者は、その学習指導要領改訂に携わった精神科医で東京都立松沢病院院長の水野雅文医師だ。「授業で学ぶ生徒だけでなく、保護者や教員にも正しい知識を持ってほしい」という想いが込められている。

   本書では、100人に約6人が生涯のうちに「うつ病」を経験するという調査結果や、「統合失調症」は10代後半から30代後半の若い世代で発症しやすい、「摂食障害」の9割以上は女性であることなど、客観的なデータを用いて精神疾患にかんする事実を解説。それぞれの症状や原因、治療法をまとめている。

   さらに、スマホ依存やゲーム依存など若い世代に多い依存症や若い世代が「心の病気」を学ぶべき理由にも踏み込んでいく。

   また、最後には一問一答形式で、「自分はちょっとおかしいのではと感じた時、どうすればいい?」「友だちの様子がおかしい、できることはある?」「子どもが学校を休みたいと言うが、行かせた方がいい?」など、本人、友だち、保護者、教員からの質問に回答していくコーナーも掲載されている。

   本書の目次は以下の通りだ。

<1章>
「心の病気」にこんな思い込みをしていない?
<2章>
なぜいま「心の病気」を学ぶべきなのか?
<3章>
そもそも「心の病気」ってなに?
<4章>
思春期に多い「心の病気」
疾患① うつ病
100人に約6人が生涯のうちに経験するという調査結果も
疾患② 統合失調症
10代後半から30代前半の若い世代で発症しやすい
疾患③ 不安症
社交不安症、全般不安症、パニック症などのタイプがある
疾患④ 摂食障害
10代半ばから20代の若い世代に多く9割以上が女性
Column
その他の疾患 依存症
<5章>
私たちにできることは? Q&A
【本人から】
Q1「自分はちょっとおかしいのでは?」「精神疾患かもしれない」と感じたとき、どうすればいいですか?
【友だちから】
Q2「友だちの様子がおかしい」「病気ではないか」と感じたとき、どうすればいいですか?
Q3友だちが精神疾患になりました。どう接したらいいですか?友だちのためにできることはありますか?
【保護者から】
Q4子どもが精神疾患かもしれません。親はどうすればいいですか?
Q5子どもが学校を休みたいと言います。行かせるべきでしょうか?
Q6精神疾患と診断されたら、学校に伝えたほうがいいですか?不利になりませんか?
ほか

   ただでさえ思春期で不安定な時期に、コロナ禍という特殊な状況が重なり、子ども自身も気づかないストレスがたまりやすくなっている。心の不調の兆しに早く気付き、適切に対処できるよう、正しい知識を身につけておきたい。


※画像提供:朝日新聞出版


  • 書名 心の病気にかかる子どもたち
  • サブタイトル精神疾患の予防と回復
  • 監修・編集・著者名水野雅文 著
  • 出版社名朝日新聞出版
  • 出版年月日2022年1月20日
  • 定価1430円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・128ページ
  • ISBN9784023319998

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