「ピアノって、子どもの頃からやっていないと弾けないんでしょ?」そう思ってはいないだろうか。
実は、音楽の経験が一切ない人、楽譜をまったくよめない人でも、たった90分間でピアノを両手で弾けるようになるレッスンが存在する。ボカロPのmonaca:factoryさんが都内で行っているそのレッスンを書籍化したのが、『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』(ダイヤモンド社)だ。
楽譜なしでどうやってピアノを弾くのか? ポイントは「コード」だ。コード進行、CやAマイナーといった言葉をあなたも耳にしたことがあるかもしれない。コードとは和音のこと。現代のポピュラー音楽はほぼすべて、コードをもとに一定の法則のうえで作られている。だから、コードの仕組みさえ覚えれば、よく耳にするポピュラー音楽をピアノで再現したり、オリジナルの楽曲を作ったりもできるのだ。
しかし、一般的なピアノ教室でコードが教えられることはほとんどない。ピアノ教室では、クラシックをベースに、楽譜を見て正確に弾くという練習が繰り返される。楽譜の表記は複雑なので、ピアノ教室の練習をしながら自分でコードの法則に気づくことは難しい。それで、ピアノを何年も習っていても、「楽譜がないと弾けない」という人が多いのだ。monaca:factoryさん自身も、小学生のときに習っていたピアノの練習は嫌いだったそうだ。しかしのちに独学で作曲を勉強し、音楽のシンプルさ、楽しさに気づいたという。
本書で紹介されるコードの法則は、クラシック音楽よりももっと近年に生まれたものだ。普段耳にする音楽から学ぶほうが、理解は早いはず。巻末には、坂本龍一の「戦場のメリー・クリスマス」や久石譲の「Summer」に挑戦するページもある。たった90分のレッスンで、こんな名曲を弾けるようになるなんて......でも、本当に弾けてしまうのだ。
ピアノの鍵盤には白鍵と黒鍵があるが、本書のレッスンではドレミファソラシド......でおなじみの白鍵しか使わない。白鍵だけでも十分、名曲を弾くことができる。さらに、コードやメロディーの勉強の前に、キーボードの選び方や、指づかいを練習するウォーミングアップのページもある。加えて、URLとQRコードから視聴できるレッスン音源・動画つき。ピアノにまったく触れたことがないという人でも、安心して始めることができる。
なんと、元ビートルズのポール・マッカートニーも楽譜のよみ書きができないそうだ。それでもピアノやベースをあれだけ弾きこなし、数々の名曲を生み出してきた。楽譜のよめるよめないに、ピアノのできは関係ない。「できない」と思い込んで諦めていたあなたも、この本があればきっと、憧れのピアノ演奏ができるようになるはずだ。
■monaca:factory(モナカファクトリー)さんプロフィール
作曲家。ボカロP。小学校入学とともにピアノをはじめる。教本の練習は嫌いだったが、中学生時代に自分で好きな楽譜(ファイナルファンタジーシリーズなど)を買って弾くようになり、音楽の楽しさに目覚める。高校ではブラスバンド部でチューバを担当。大学時代に初音ミクに出会い独学で作曲をはじめる。音楽活動と並行しIT系会社に就職、プログラマーとなるも、音楽への興味により2年目に退職。以降フリーランスの作曲家として活動を開始する。歌モノからBGM制作まで総製作数は12年間で500曲を超え、動画サイトで100万再生を超える楽曲も発表している。作曲と並行して都内でピアノレッスンを行っており、楽譜が読めない楽器未経験者でも1日でピアノが弾けるようになると好評を得ている。
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