やるべきことが山積みで、頭の中がいつもごちゃごちゃ。心に余裕がなくて、やりたいことを考える時間すらない。そんな人を救うメソッドがある。それは、1日15分、頭に浮かぶことを思いつくままに書くだけ。『書く瞑想』(ダイヤモンド社)で、"習慣化コンサルタント" 古川武士さんが、頭と心が整う「書く」メソッドを教えてくれる。
「習慣化コンサルタント」という、一風変わった肩書きの古川さん。その名の通り「習慣化」をテーマに、ビジネスパーソンのコンサルティングを手がけている。習慣化コンサルタントとして、これまでに5万人を指導し1000人以上にコーチングをしてきた中で、独自に生み出したメソッドこそ、「書く瞑想」だ。
独自のメソッドと言っても、心理学や脳科学などの科学的事例、禅などの東洋思想がベースとなっている。時間内で思いついたことをひたすら書き出す手法自体は、一般的に「ジャーナリング」と呼ばれ、心を整える効果が注目されて、グーグル本社のプログラムにも取り入れられているほどだ。
古川さんは、自身が編み上げたメソッドを「感情ジャーナル」と名づけている。「感情ジャーナル」の手順を簡単に紹介しよう。
STEP1 書く瞑想
1日15分、紙とペンを用意し、今感じているマイナス・プラスそれぞれの感情をひたすら書き出す。自分らしさや心のクセを知り、ストレスやモチベーションをコントロールするヒントになる。
STEP2 書く片づけ
書きっぱなしでは深い気づきには至れない。月1回時間を取り、STEP1で書き出したことを客観的に見つめて、どんなパターンが見えるか、その奥にある価値観は何かを整理する。
STEP3 書く習慣化
3ヶ月ごとに振り返り、良かった点・反省点・次の3ヶ月の行動をまとめる。これらを長期的に習慣化して、人生を動かす効果を増幅させていく。
以上の3つのステップが、古川さん考案の「感情ジャーナル」だ。さらに詳しい手順や効果は、ぜひ書籍で。
「自分らしさを知る」と言うと、就職活動などの「自己分析」を思い浮かべる人も多いだろう。自己分析と感情ジャーナルとは、何が違うのだろうか。
私たちの中には、3つの自己がある。「思考的自己(頭)」、「感情的自己(心)」、「身体的自己(腹)」だ。自己分析では頭との対話がメインになり、心や腹がおろそかになりがち。3つの自己のうち2つも無視しているのだから、結局自分のことがわからなくなる。
感情ジャーナルでは、普段スルーしてしまう心の自分・腹の自分とじっくり対話する。自分の内なる声を感じ取る、いわば自己「分析」ではなく自己「感受」だ。心・腹と対話するポイントは、直感で湧き上がる言葉を、頭で検閲しないこと。しかし、これが案外難しい。本書には実践のための詳しいポイントや、実践者の声も収録されているので、書籍と二人三脚で感情ジャーナルを始めてみよう。
古川さんのメソッドを実践した人たちの中には、研究職から獣医師になった人、77歳からの生きがい探しを始めた人、学校の先生からジャズボーカリストになった人までいる。さまざまな転機を作ってきた古川さんの感情ジャーナル。次は、今モヤモヤしているあなたの転機になるかもしれない。
■古川武士(ふるかわ・たけし)さんプロフィール
習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。5万人のビジネスパーソンの育成と1000人以上の個人コンサルティングの現場から「習慣化」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術をもとに、個人向けの習慣化講座、企業向けの行動変容・習慣化研修を行っている。
主な著書に、『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』(以上、日本実業出版社)、『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』『力の抜きどころ』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?