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子どもが「学校に行きたくない」と言ったら...。不登校新聞編集長が送る具体的アドバイス

「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること

   ある日突然「もう学校に行きたくない」と子どもが言いだしたら、なんと声をかけるのが「正解」なのだろうか。

   「子どもは学校に行くのが当たり前」とされる社会で、学校に行かない子どもは「不登校」という言葉でひとくくりにされてしまう。相談できる場が少なく、家族でどう話し合ったらよいのかもわからず、心配のあまり子どもを責め、追い詰めてしまうことも。

   そんな現状を変えようと、自身も不登校の経験がある「不登校新聞」の編集長、石井志昂(しこう)さんが、『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(宝島社)を上梓した。

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   本書は、石井さんが20年間の取材を通して感じた子どもとの向き合い方を、一冊の本にまとめたもの。学校に行きたくない子どもたちに対し、どのように向き合うと良いのか、具体的なアドバイスや、押さえておきたい子育てのノウハウが詰まっている。

   石井さんは、不登校になる子どもには様々なタイプがあると言う。子どもの性格が暗いとか、親御さんの職業が不登校に直結している訳ではない、と説く。これまで話を聞いた中には、いつも明るくクラスの中心にいた子や、有名大学への進学を考えている優等生、何よりも運動が好きという活発な子も。いじめや、学校教育に納得できない、親と離れるのが怖いなど、不登校になった理由もさまざまだ。

   ただ一つ共通して言えるのは、「怠け」や「なんとなく」で不登校になっているのではないということ。

   苦しみながらも選択した結果を、子ども自身や親御さんが責めることのないようにしたいと、「不登校から得た学び」を綴っている。

それは言葉にすれば単純なことですが、「自分を大切にする」ということです。

   本書では、子どもはもちろん親自身も自分を大切にするためにやるべきことを、具体的に解説している。

「好きなことを仕事に」を押し付けない

   「第1章 子どもがのびのびと育つためにできること」で、石井さんは、「子どもは雑談をしたがっている」と言う。雑談は、「相手に何も求めない時間」。そういう時間をシェアすることで、子どもに「こうしてほしい」という期待や要求ではなく、ただ「そこにいていいんだよ」というメッセージを伝えることができる。

   思春期で雑談にのってこないようなら、子どもが好きなことをやってみることがお勧めだという。ゲームが好きな子なら、自分もゲームをやってみて、話のきっかけをつくる。ただし注意したいのは、「途中で話を違う方向に持っていかないこと」。ゲームの話をしている時に、「じゃあ、ゲームを作る人になったらいいよ」などと言ってしまうと、たちまち「また誘導が始まった」と反発を招く。子どもがしたいのは「今」の話なのだと石井さんは指摘する。親としては「好きなことを仕事にできたら幸せ」と考えがちだが、押し付けにならないよう心がけよう。

   ほかにも、子どもの「SOS」をキャッチするためにできることや、学校へ行かないときにできることなど、石井さんの豊富な経験から得られた知見を活かしたアドバイスが満載だ。

   刊行にあたり、絵本作家のヨシタケシンスケさんと、フランス文学者・内田樹さんが次のように推薦のメッセージを寄せている。

■ヨシタケシンスケさん

そうだ。学校に行ってほしいんじゃない。幸せになってほしいんだ。我々は「良かれと思って」何ができるのか。勉強になります!

■内田樹さん

この本から得たいちばん貴重な情報は「不登校は成長過程ではごく自然な出来事」ということだった。私自身、小学校は不登校で高校は中退だったけれど、長じてなぜか教師になった。学校への態度は成長にともなってどんどん変わる。学校とのかかわりかたはいろいろあっていいんだよということを子どもたちに教えてあげたい。

   目次は下記の通りである。

1章 子どもがのびのびと育つためにできること
・子どもは雑談したがっている
・共感するふりでもいい
・子どもに提案するときはひと呼吸置く
・子どもは親の笑顔が好き

2章 子どものSOSをキャッチするためにできること
・代表的な5つのSOS
・子どもに率直に聞いて大丈夫
・数日休むと学校に行きたくなる

3章 子どもが学校に行かないときにできること
・「なんで学校へ行けないの?」はNGワード
・つらいまま学校に行くほうが傷は深くなる
・勉強はいつでもできると開き直る
・子どもの社会性は家庭で育つ

4章 子どもの将来のためにできること
・不登校経験者の85パーセントは進学する
・弁護士からタレントまでさまざまな職業に
・「ふつう」のおじさん、おばさんになる

■石井志昂さんプロフィール

1982年、東京都生まれ。中学2年生から不登校となりフリースクールに通う。19歳から日本で唯一の不登校の専門紙である「不登校新聞」のスタッフとなり、2006年から編集長。20年からは、代表理事も務める。これまで、不登校の子どもや若者、識者ら400人以上に取材をしている。「あさイチ」「逆転人生」(NHK)「news zero」(日本テレビ)「報道特集」(TBS)などメディア出演も多数。

※画像提供:ポプラ社


 
  • 書名 「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること
  • 監修・編集・著者名石井 志昂 著
  • 出版社名ポプラ社
  • 出版年月日2021年8月12日
  • 定価979 円 (税込)
  • ISBN9784591170786

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