「40代半ばからメンタル不調が増えていく どうかひとりで悩まないで!」――。
日本人女性の平均閉経年齢は50.54歳(早ければ30代後半の人も)。更年期は、閉経前後それぞれの約5年間を足した約10年間のこと。
本書『つらくなる前に知っておきたい 閉経のきほん』(池田書店)は、「幸せな閉経のための全知識」をつめ込んだ「更年期の心と体の悩みに一番よく効く本」。長年、東京女子医大で更年期の女性たちの悩みを聞いてきた医学博士・上田嘉代子さんが監修を務める。
「『閉経』や『更年期』といえば、心身ともにつらい時期だというイメージを抱かれる方も多いと思います。そのような方たちに"閉経のリアル"を知っていただき、冷静に対処していただければ、その時期をずっと楽に、充実したものにできるのでは、という思いから本書は作られました」
「家にいるのにトイレが間に合わず」「お尻までかく大汗で、まるで『お漏らし』」「太りすぎた挙げ句、何もかもがどうでもよくなった」「会話中でも気を失ったように眠くなる」......。
「閉経」や「更年期」がおおっぴらに語られることはない。「閉経前後の体験記」を読んで、こんなにもつらいのか......と。ただ、こうして現実を知っておいたほうが不安がやわらぐこともある。
■閉経について知ってほしい10のこと
1 閉経は女性の守り神「女性ホルモン」との決別 人生第2のスタート!
2 閉経は大きな「体」の変化だけど、それに「心」が加わって更年期症状の引き金になる
3 閉経前後の更年期症状は個人差がとても大きいから、わかってもらいにくい
4 思春期のテーマが「自立」なら、更年期のテーマは「まわりに頼る」こと
5 閉経に伴う症状は「治療」できるから、一人で我慢しない
6 閉経後は「骨」と「血管」が弱りがち。「骨粗鬆症」「動脈硬化」に注意!
7 閉経後は、それまでとは違う病気にかかりやすくなる
8 閉経の話はタブーではない。パートナーやまわりの人と語り合おう
9 閉経は「女性の終わり」にあらず。女性としての魅力に自信をもって!
10 生理は「初経」で始まり「閉経」で終わる。どちらも記念日、どちらも祝おう!
閉経は、女性の守り神「女性ホルモン」が「私の役目は終わった」と告げて去っていく時。更年期は、女性ホルモンがほとんどなくなるまでの過渡期。そのため更年期には、それまで以上に自分の体と向き合い、セルフメンテナンスをする必要があるという。
「目標は、更年期症状を軽くし、次のステージである『老年期』にソフトランディングすること。しっかり準備してソフトランディングできた人とできなかった人とでは、10年後、20年後の健康状態が大きく変わります」
守り神が去っていってしまうとは。もう「女性の終わり」なのか......と思うと、なかなかつらいものがある。ただ、本書はそこで終わらない。
「より素敵になった自分をイメージしてください。失うものについては、『若い時よりも素敵な自分になるために、いらないものを削ぎ落としている』と考えてはいかがでしょうか? リセットボタンを押して、新たなスタートをきるのだと思えば、気持ちが明るくなるかもしれません」
ちなみに、英語では「閉経」も「更年期」も「menopause(メノポーズ)」といい、欧米には「Happy Menopause!」という表現があるそうだ。
まさか「幸せ」と「閉経」が結びつくとは。ぜひ参考にしたいとらえ方だ。あぁ、読んでよかった! と思えるメッセージが、本書のあちこちに見つかるだろう。
■目次
第1章 閉経を迎えるすべての女性へ
第2章 女性のからだと閉経のきほん
第3章 閉経前後を大きく左右する「メンタル」
第4章 おもな更年期症状と対策
第5章 4つの治療法
第6章 閉経前後はこんな病気に要注意
第7章 閉経後のパートナーシップ
■上田嘉代子さんプロフィール
医学博士・神楽坂レディースクリニック院長。1977年東京女子医科大学卒業。京都大学婦人科産科学教室、大津市民病院産婦人科などを経て、東京女子医科大学附属「女性生涯健康センター」婦人科に勤務。2011年同センター准講師に。多くの更年期女性と時間をかけて向き合い、ストレスやホルモンがどれほど女性の体に大きな影響を与えるかを肌で感じる。16年神楽坂レディースクリニック開院。更年期障害の女性のパートナーとして、治療計画だけでなく、その後の病気予防の観点からも検査・指導している。娘3人も医師。日本産婦人科学会専門医・日本女性医学学会認定医・日本心身医学学会会員・日本体育協会認定公認スポーツドクター。
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