65歳以上の人の約4人に1人が認知症もしくは軽度認知障害、2025年には85歳を超える人の2人に1人が認知症になる、と言われているという。
家族が認知症になったらどうしよう。いつか自分もなるかもしれない......。本書『安心な認知症 マンガとQ&Aで、本人も家族も幸せになれる! 』(主婦と生活社)は、そんな「認知症の不安をすべて解決!」する1冊。
"認知症診療の第一人者"で日本認知症ケア学会理事長の繁田雅弘医師を代表とする、"認知症のプロフェッショナル"が全面協力。
「認知症の人が見ている世界・感じている世界」「認知症の人を介護する家族へのアドバイス」をマンガとQ&Aで徹底解説している。
「認知症と言われたら、本人も家族も、絶望的な気持ちになるかもしれません。でも、不安になりすぎないでください。感動したり、楽しんだりは、以前と変わらずにできます。その人らしさが失われるということは、じつはないんです」
■Q&Aの例
【Q】高齢の母がもの忘れをすることが増えています。認知症でしょうか?
【A】じつは、「老化によるもの忘れ」と「初期の認知症」を区別することは、医師でも難しいと言われています。服用している薬の影響や、体の病気、心の病気が原因で、もの忘れが現れたりすることもあります。
【Q】認知症は治せないと聞きました。「早期発見→早期絶望」ということなのでしょうか?
【A】「認知症にならないこと」や「認知症を進行させないこと」は現在の医療では実現できませんが、適切な治療や質の高いケアを受けて、自分らしく人生をまっとうする人は大勢います。
【Q】認知症になって数年もたてば、家族の顔もわからなくなると聞きました。本当ですか?
【A】認知症が進行していく経過やスピードは患者さんによってさまざまで、数年で症状が進む人もいれば、亡くなるまで症状が軽い人もいます。認知機能テストの点数は落ちても、仕事や日課を行うことをやめずにこれまでの生活を継続し、安定した状態が続いている人もいます。
【Q】家族が認知症と診断されました。これから、どうしていったらよいでしょう?
【A】早めに考えたいのは、家族の財産・経済状況を把握すること。年金や貯金、土地、金融商品、負債などは、できるだけ症状が進まないうち(本人が判断できる時期)に確認しておきましょう。今後、必要になってくる介護費用に備えるためにも大切です。
【Q】乱暴な物言いや徘徊、物盗られ妄想など、認知症の「行動・心理症状」は、介護のやり方しだいで起こりにくくなるって本当ですか?
【A】本人が感じている不安や孤独感が軽くなり、気持ちが落ち着くと、起こりにくく、改善しやすいことがわかっています。
「多くの家族がつい忘れがちなことなのでお伝えしておきたいのが、"認知症になっても、家族は家族"だということです。認知症の人を介護(ケア)しようとはせず、"家族として暮らす"ことを優先して考えることが大切です。とはいえ認知症になったら、今までと同じように生活はできません。工夫や周囲の配慮が必要になります」
心の持ちようから実践ノウハウまで、"認知症のプロフェッショナル"の「不安」を「安心」に変えるアドバイスは目からウロコ! まさか「安心」と「認知症」が結びつくとは。「誰もが認知症になり得る時代」に読みたい1冊。
■目次(抜粋)
序章 介護家族から学ぶ「認知症の真実」
症状が進んでも....../「認知症の本人」のホンネ/親戚や近所の人たちとの付き合い方
第1章 認知症への不安がなくなる「医療の最新常識」
認知症の可能性がある人/認知症を診てくれる医師の見つけ方/「誤診」問題/認知症と診断されたら....../「認知症の予防法」に対する誤解/薬について知っておくべきこと
第2章 本人も家族もラクになる!「介護環境」の整え方
診断されても慌てずに済む基礎知識/介護認定を受けるコツ/ケアマネジャーの選び方/「認知症カフェ」の賢い活用法/「介護費用」の支出額を抑える基本知識/「成年後見制度」「家族信託」のデメリット
第3章 知っておくと役立つ! 介護家族の知恵
できれば避けたい"認知症のNGケア"......何度も同じことを聞いてくる/家を出て帰ってこられなくなった/家電製品の操作ができなくなってきた/「あれ」「それ」で会話がうまくできなくなってきた
特別企画 "認知症のプロ"が、親の認知症に直面してわかったこと
第4章 認知症とともに、幸せに暮らす
第三者の存在が大事/「認知症病棟への一時入院」という選択/まだ大丈夫なうちから、施設入居の準備を/義務感にかられたムリな介護は避ける/納得の高い「看取り」のコツ
■繁田雅弘さんプロフィール
東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。日本認知症ケア学会理事長。認知症専門医。東京慈恵会医科大学を卒業後、精神医学講座に所属し、1992年よりスウェーデン・カロリンスカ研究所老年病学教室の客員研究員、2003年より東京都立保健科学大学教授、05年より首都大学東京健康福祉学部学部長、11年より首都大学東京副学長を務めた。17年より東京慈恵会医科大学精神医学講座教授に就任、同時に首都大学東京(現都立大学)の名誉教授の称号を得た。医療の枠にとらわれず、認知症の人をいかに支えるかを追求。神奈川県平塚市の実家で認知症の啓発活動などを地域住民と共に行う「SHIGETAハウスプロジェクト」を主催。
■森下えみこさんプロフィール
静岡県生まれ。コミックエッセイのほか、書籍や広告、雑誌などのイラスト、マンガを手がけている。おもな著書に『40歳になったことだし』(幻冬舎)、『マンガでわかる「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(すばる舎)、『今日も朝からたまご焼き お弁当生活はじめました。』(KADOKAWA)などがある。
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