「おりもののにおいが酸っぱいけど大丈夫?」「左右の胸のかたちが違うのが心配」「陰部の形が変かも」などなど、産婦人科医の仲 栄美子さんの診察室には、高校生以上の若い女性が人に言えない悩みを抱えて相談にやってくる。なぜ心配になったのか聞くと、女の子はたいてい「彼氏におかしいと言われた」と答えるという。
本書、『産婦人科専門医が教える はじめての性教育』(自由国民社)では、小中高生2万人に「性」と「生きること」を講演してきた仲さんが、「教科書に載っていない」リアルな40の質問に、やさしくていねいに答えている。
「デリケートゾーンのにおい、色、毛について」
「オナニーって安全?」
「どんな時に病院に行くべき?」
「性交しないで妊娠する方法ってある?」
「性感染症になったらどうなるの?」
「異性に興味がないのは変?」・・・ほか
これらは、実際に生徒から寄せられた質問で切実なものばかり。自分の子が同じ悩みを抱えている可能性もある。
異性の親はもちろん、同性であっても他人と比べる機会はなかなかないので、答えに窮することもあるだろう。親が自分の経験では語り切れない質問に対しても、本書では専門的な立場から回答を示しているので心強い。
仲さんは医大を卒業した後、大学病院の産婦人科に勤務していたが、過労によりうつ病を発症し、自殺未遂に追い込まれたことも。そうした経験をもとに、10代の若い人たちに「生きるということについて」熱く語っているという。また、毎年地域の小中高校を回り、10年間で約200校2万人への性教育講演活動を行っている。
仲さんによると、中高生の「性」へのイメージは変わりつつあるという。講演会でのアンケートでは、「性」に対して「大切なこと」「男女のこと」「生き方につながること」というイメージがあると回答する生徒が多いようだ。親世代は、「人に言えないこと」「恥ずかしいこと」「子供にはまだ早い」と考え、タブー視しがちだが、仲さんは、子どもたちが投げかけてくる性についての質問に、逃げずに向き合うことが大切だと説く。
本書の目次は以下の通り。
【目次】
1章 性教育って何を学ぶの?
2章 女子に多い質問
3章 性の多様性について
4章 性感染症について
5章 性は「生きる」こと
世界と比べて遅れをとっていると指摘される日本の性教育。「性」の話は家庭ではなかなか難しいと感じる方も多いだろう。しかし、いつかはしっかりと話さなくてはならない機会がやってくる。その時のために、親として正しい知識をつけておきたい。
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