小学3、4年生のお子さんを持つ家庭では、中学受験をさせるべきか迷っている親御さんも多いのでは。将来の可能性を広げるために特色のある中学校へ通わせたい、高校受験で苦労するより今のうちに受けさせておいた方がいいのでは、という思いもあるが、まだまだ幼いわが子。友だちと外でのびのび遊んだり、好きなことに没頭する時間を奪ってまで塾に通わせ、好きでもない勉強をさせることが、本当にこの子のためになるのだろうか...?という気持ちも。
そんな親御さんのヒントになるのが、早稲田アカデミーで30年以上講師を務めてきた福田貴一さんの著書、『中学受験 身につくチカラ・問われるチカラ』(新星出版社)だ。
「受験に向いていない子どもはいない」と断言する福田さん。精神的成長が早いタイプの子どもは『向いている』、幼いタイプの子どもは『向いていない』と思われることもあり、「もし最難関中学への合格を勝ち取ることだけを中学受験の目的とするならば、『向いていない』ケースも考えられるかもしれません」としながらも、「中学受験の価値は、決して合格することだけではない」と言う。
そこで本書では「中学受験の本当の価値」を伝えるべく、ヒントとアドバイスをたっぷりと詰め込んだ。
福田さんは、子どもを大きく次の4つのタイプに分け、その方向性で伸ばしていけばよいという。
①自分で考えることができるタイプ
②丁寧に学習できるタイプ
③興味・関心が幅広いタイプ
④明るく前向きなタイプ
どれもあんまり当てはまらないんですけど...と焦る必要はない。当てはまるものが少ないとうまくいかない、というわけではなく、その方向に伸ばしていくことで、学習の家庭で直面する困難を乗り越えやすくなる、というイメージだ。本書では、それぞれのタイプ別に「伸ばしどころ」を解説している。
では、実際に中学受験をめざすとして、いつから勉強を始めるのがよいのか?
福田さんは、中学受験塾の新年度は2月にスタートするため、新しい学年で良いスタートを切るためには、冬の間に新年度からの生活を具体的にイメージしておくことが大切だという。
また、新年度に切り替わるタイミングは、習い事を整理する機会でもある。「とりあえず塾に通わせて、忙しすぎるようならやめさせればよいのでは」という考え方もあるが、新学年がスタートした後に習い事をやめると、子どもの中に「途中で投げ出してしまった」という「不完全燃焼感」が残る恐れも。そうならないためには、整理するタイミングで習い事について子どもと話し合う機会を設けるとよいとアドバイスをしている。
本書ではこのほか、「我が子の力を効果的に高めるための塾やテストの活用術」や、「中学受験に挑むわが子に、親ができること、親にしかできないこと」など、塾講師歴30年の経験をもとに、さまざまなヒントを提示している。
目次は下記の通り。
第1章 中学受験の本質
中学受験は、子どもをどのように成長させるのか。講師だから知る、中学受験の「素顔」と「本質」
第2章 塾講師が教える、「塾」「テスト」との向き合い方
我が子の力を効果的に高めるための、「塾」「テスト」活用術
第3章 塾講師が教える、「子ども」との向き合い方
家庭でできる、"未来へつながる"学力の伸ばし方
第4章 受験の悩み、私が答えます
我が子を思うからこそ、尽きない悩み。塾講師歴30年の私は、こんなふうに考えます
第5章 中学受験 親が子どもにできること
中学受験に挑む我が子に、親ができること、親にしかできないこと
中学受験はわが子の「伸ばしどころ」を見極めるための一つの方法と考えて、新学期までまだ時間のあるうちに、親子であらためて話し合ってみては。
早稲田アカデミー教育事業第二本部 副本部長 兼 武蔵小杉校校長。1990年、早稲田アカデミーに入社。校長として20年以上のキャリアを持ち、エリア責任者として各校舎の指導・統括にもあたる。また、「NN志望校別コース」では開成、女子学院、渋谷幕張クラスなどを歴任し、現在は慶應義塾普通部クラスの算数科責任者を務める。進学情報誌『サクセス12』やブログ「四つ葉Cafe」、低・中学年保護者様対象の「クローバーセミナー」などを通して、中学受験に関する情報を広く発信している。
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