「僕って本当にお金持ちになれるんですか?」「なれますよ。ヨーロッパではお金に困らない人を富裕層というのです」――。
本書『定期預金しか知りませんが、私、本当にお金持ちになれるんですか?』(秀和システム)は、「世界最大手スイスのプライベートバンク出身・お金を増やすプロ」の渡邊一慶さんが、「面倒くさがり・お金の知識ゼロ・損したくない」編集者との対話形式で、誰でもできる投資を教える1冊。
渡邊さんは、日本では珍しいマネー教育に特化したファイナンシャル・プランナー。投資初心者から富裕層まで、欧米の金融機関で培った金融ノウハウを提供しているという。
一方の編集者は、典型的な「預貯金だけ」の男。1度も投資したことがない「超ど素人」というが......。
「僕が少しでも『難しい』と思ったものはできる限り簡単に説明してもらい、さらに『面倒くさい』と思ったものは『これなら続けられそう』という代案を出していただきました。(中略)楽しく読めるわかりやすい本ができたと思っています」(編集者)
スイスは世界有数の金融国家。スイスのプライベートバンクでは、世界中の富裕層の人たちが「資産を守る」ために投資をしている。一方、スイスは世界一物価が高く、日本並みに低金利の国でもある。
では、なぜそうした国で日本人よりお金持ちになれるのか? それは、スイスのお金持ちは非常に手堅く、物価上昇に負けない程度のリターン(約5%)を目指し、資産保全を目的に投資を実行しているからだという。
本書は「アメリカ型の攻撃的な資産運用」ではなく、「ヨーロッパ型の守備的な資産運用」、中でも資産運用で有名なスイスに焦点を当て、「スイス流の資産形成方法」を紹介している。
■目次
序章 私、本当にお金持ちになれるんですか?
――堅実志向の日本人に向いているのは、安全に増やせるヨーロッパ型の投資
第1章 「資産運用の王道」を教えてください
――スイスでは収入の3割を投資に回して、そのうち7割を「守りの投資」とする
第2章 お金持ちって債券が好きなんですね
――投資といえば株式、そう思ってない? スイスの富裕層は債券で儲けている!
第3章 「最強ポートフォリオ」の作り方って?
――投資成果の9割は、ポートフォリオとアセットアロケーションで決まる
第4章 いつまで投資してればいいんですか?
――利益を確定させる引き際は難しい。プロが実践している「投資の出口戦略」
第5章 それでも迷ったり困ったりしたら......
――投資の目標を人生に合わせて設定し、万一、暴落しても慌てない基盤を作る
そもそも「お金持ち」の定義とは何か。プールつきの大豪邸で毎晩パーティーして、高級車を何台も所有している人? これはアメリカのお金持ち。一方のヨーロッパでは、お金に困らない人を「富裕層」という。
アメリカ関連のマネー本は多いが、日本人がアメリカ人をお手本にすべきかというと、そうでもないようだ。
「アメリカは世界一の投資大国ですが、アメリカ型の投資を真似すると、回復不可能なほどの大失敗をしてしまう可能性もあるんですよ!」
日本銀行が昨年調査した「家計金融資産構成比」によると、アメリカの平均的な現金・預金はわずか13.7%。ヨーロッパは34.9%。日本は54.2%。資産運用の考え方がずいぶん異なる。
「アメリカンドリーム」の言葉どおり、アメリカ人の投資の大半は一か八かのギャンブル的なもの。サブプライムローン問題やリーマンショックなどはすべて、アメリカが引き起こしたバブル崩壊なのだという。
そこで参考にしたいのが、「お金を守ることに焦点を当てたスイス式の資産運用」。ポイントは「現金・保険・投資を3割ずつ保有して、その投資も『7割守備:3割攻撃』で手堅く増やす!」こと。
「まずは、自分の全財産を預金と投資と保険に分けて、ざっくり3割ずつになるように保有します。預金は今必要なお金、投資は将来必要なお金、保険は万が一に必要なお金というイメージです」
「投資で絶対に避けなければいけないのは、全財産を失ってしまうことです。だからこそ『7割守り、3割攻める』のバランスが最適なのです」
お金を増やす「超凄腕のプロ」と「超ど素人」による、ざっくばらんな対話形式がなんともユニークだ。読みながら「?」になるところは、編集者が「?」になるところとほぼ重なり、そこを渡邊さんがさらに噛み砕いて説明してくれていた。
「超ど素人」の1人として、本書はずいぶんとっつきやすい投資の入門書だと思う。
■渡邊一慶さんプロフィール
株式会社マネージュ代表取締役社長。ファイナンシャル・プランナー、マネー教育アドバイザー。1983年愛知県生まれ。関西外国語大学を卒業後、三菱UFJ証券に入社。当初は新規開拓の壁にぶつかり、同じ支店に配属された同期の中で1番新規開拓が遅いという挫折を味わう。その後、毎月1000万円以上の新規開拓に成功し、1年目で社長賞を受賞。2年目も投資信託販売キャンペーンでトップの成績を残し、表彰。アメリカのシティバンク銀行からヘッドハンティングされて転職。当時の最短記録でCitigold Executiveに昇進し、アジアパシフィックでAwardを受賞。その後、プライベートバンク世界最大手・スイスのUBS銀行への転職を決断。クライアントアドバイザーとして、金融資産2億円以上の富裕層顧客の資産管理を担当。2016年に独立し、現職。
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