呼び名からして、美味しそうだ。面倒でもなく、お金もかからない。そんなありがたい健康法がある。「ボケない! 病気にならない! ニンニク油」だ。
都立駒込病院脳神経外科部長・篠浦伸禎さんの本書『脳が若返る特効薬――長生きニンニク油』(青春出版社)は、「脳の名医が実践する100歳までボケないヒント」を伝授する一冊。
「ニンニクをオリーブオイルに漬け込むだけ! 自分でできる『脳の特効薬』、それが『ニンニク油』です」
日本人の平均寿命が延びた一方、健康寿命との差が広がっていることが問題になっているそうだ。健康寿命を左右する、寝たきりや介護。それらに大きくかかわるのが、認知症や脳卒中という脳の病気。
篠浦さんは脳神経外科医として、手術だけでなく、食べ物、健康法など、脳にいいといわれるあらゆるものを試してきた。
「そのなかで私が特におすすめしたいのが、この本で紹介する『ニンニク油』です」
脳は、全体に微小な毛細血管を張り巡らせて酸素や栄養を送っている。この毛細血管の血流が低下すると、脳の働きが悪くなり、物忘れや認知症に。
そこでスプーン1杯の「ニンニク油」をとるだけで、「脳血流がよくなる! 免疫力もアップする!」としている。その秘密は、ニンニクに含まれる「アホエン」という成分。
「アホエンには脳の血流をアップさせる働きがあります。つまりアホエンが含まれた『ニンニク油』を飲むだけで、物忘れや認知症が改善するなど脳が若々しくなる効果が期待できるのです」
「ニンニク油」の8大効果は以下のとおり。
「物忘れ、認知症の改善」「脳卒中予防、脳梗塞改善」「高血圧改善」「コレステロール値改善」「痛風予防」「がん予防」「免疫力アップ、風邪予防」「胃炎、胃潰瘍、胃がん予防」
ここでは「免疫力アップ、風邪予防」にふれておこう。
「アホエン」には、カビや細菌に対する非常に強い殺菌作用や抗ウイルス作用がある。ニンニクが体内に入ると、その成分が細菌やウイルスを食べると同時に、再びその細菌やウイルスに侵されないように抗体を作り出す(免疫を高める)働きがあるという。
ニンニクを切ったりすり下ろしたりしたものを植物油やアルコールに漬け込んではじめて、「アホエン」は生成される。「脳への効果」を期待するなら、そのままではなく「ニンニク油」としてとるのがポイント。
■「ニンニク油」の作り方
1 ニンニクをすりおろし、室温で2時間ほど置く。
2 オリーブオイルを容器に入れ、1のニンニクを入れる。室温で5日~1週間置く。
3 茶こしでニンニクをこす。
※密閉容器に入れ、冷暗所で保存。1カ月以内に使い切る。
「ニンニク油」の唯一の弱点は、熱に弱いこと。「ニンニク油」を作るときは、室温のオイルにニンニクを5日間漬け込んだころ、もっとも多くの「アホエン」が抽出できるということは、覚えておきたい。
本書の目次は以下のとおり。
1章 ニンニクパワーを引き出す! 「長生きニンニク油」の秘密
2章 かけるだけ、まぜるだけの「ニンニク油」活用レシピ
3章 100歳までボケない5つの習慣
1章では、「無臭ニンニクではなく通常のニンニクを使う」などの「ニンニク油を作るときのアドバイス」、「とる量は1日に大さじ1/2~1杯程度」などの「ニンニク油のとり方のコツ」も。
2章では、カラー写真付きで40の簡単レシピを掲載。「玉子かけごはん×ニンニク油」「チキンのフレッシュトマトソース」など、シンプルな一品からバシッと決まる一品までさまざま。「取り出したニンニクの活用アイデア」も。
3章では、篠浦さんが実際に試してみて、脳の老化防止の効果を実感した5つの習慣「ニンニク油」「コーヒー」「瞑想」「運動」「心の持ち方」を紹介。
「どれもお金がかからず、すぐに実践できるものばかりです。(中略)ニンニク油に加え、まずはやりやすいものから日常生活に取り入れてみてください」
これほどとっつきやすい健康法もめずらしい。簡単に作れる美味しい「脳の特効薬」。体にいいのはもちろん、純粋に料理として美味しそうだ。これは試さない手はない。
篠浦伸禎さんは1958年生まれ。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、国立国際医療センターなどで脳神経外科医として勤務。2009年より都立駒込病院脳神経外科部長。脳の覚醒下手術ではトップクラスの実績を誇る。近年、西洋医療にとどまらない「本当に良い医療情報を発信する団体・篠浦塾」を主宰。
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