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新書『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』、16日の発売前に重版

 光文社と東京大学の共同企画で2020年7月16日に刊行される新書『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(著・庭田杏珠、渡邉英徳)が発売前から話題になり、予約注文が殺到している。事前に内容が一部新聞で報じられたためで、すでに重版が決定し、5000部を増刷、累計1万5000部を突破している。

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画像は『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(光文社)

 本書は東大生の庭田杏珠氏と、大学院情報学環の渡邉英徳教授との共同企画。戦前から戦後の貴重な写真をAI技術と資料・対話をもとにカラー化し、書籍にしたもの。

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画像は「1935年、沖縄の女学生」 写真提供:朝日新聞社
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画像はカラー化された「1935年、沖縄の女学生」 写真提供:朝日新聞社

 庭田さんは2001年、広島県生まれ。17年の高校生時代から、この活動を始め、東大入学後も続けている。これまでに展覧会、映像制作、アプリ開発などアートやテクノロジーをいかした戦争体験者の「想い・記憶」の継承に取り組んでいる。国際平和映像祭(UFPFF)学生部門賞(18年)、「国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール」外務大臣賞(19年)などを受賞。

 渡邉教授は1974年、大分県生まれ。情報デザインとデジタルアーカイブによる記憶の継承のあり方について研究を進め、これまでに「ヒロシマ・アーカイブ」「ナガサキ・アーカイブ」などを制作。17年より庭田氏と共同で「記憶の解凍」作業を進めてきた。

 具体的にはAI技術でモノクロ写真を自動カラー化したのち、戦争体験者との直接の対話、SNSで寄せられたコメント、当時の資料などをもとに手作業で色彩を補正している。この結果、モノクロ写真の印象が大きく変化し、遠い昔の戦争が現在の日常と地続きになり、写し込まれたできごとにまつわる対話が創発、貴重な資料とできごとの記憶を未来に継承する一助となることを企図している。

 個人提供による貴重な写真、朝日新聞社・共同通信社提供の写真、アメリカ軍が撮影した戦場写真など約350枚をカラー化し、収録している。戦前の広島・沖縄・国内のようす、開戦から太平洋戦線、沖縄戦・空襲・原爆投下、そして戦後の復興などが取り上げられている。

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画像はカラー化された「1945年8月6日、呉からみたきのこ雲」撮影:尾木正己
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画像はカラー化された「1946年8月、原爆投下一年後の広島のカップル」 写真提供:共同通信社

 BOOKウォッチでは関連で『秘蔵写真200枚でたどるアジア・太平洋戦争――東方社が写した日本と大東亜共栄圏』(みずき書林)、『写真で見る日めくり日米開戦・終戦』(文春新書)、『被爆者はなぜ待てないか』(慶應義塾大学出版会)、『漫画が語る戦争 焦土の鎮魂歌』(小学館クリエイティブ)、『海軍伏龍特攻隊』(光人社NF文庫)、『サハリンに残された日本』(北海道大学出版会)なども紹介している。

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