さまざまジャンルの専門家をゲストに迎え、社会課題や未来予測などをテーマにイノベーションのヒントを探る文化放送の番組、「浜松町Innovation Culture Cafe」(通称:浜カフェ、毎週土曜日18:00~18:57放送)では、番組のエンディング付近でBOOKウォッチ編集部がおすすめする本を紹介している。
※参考リンク 「浜松町Innovation Culture Cafe」前回2020年6月13日は「いま人々の心に起きていること」をテーマに放送し、編集部からのおすすめの本は『空気を読む脳』(中野信子 著、講談社)をピックアップ。どんな内容なのかは、書評記事「「自粛警察」は日本人の脳のせい?」を参照。
番組内では、ヤフーメディアプロデューサーの宮内俊樹さんと脳科学者の中野信子さんが「イノベーションを起こしづらい日本人」という話題や、「これからの私たちが心がけるべきこと」について語り合った。
中野 国民性形成に「ドーパミン」と「セロトニン」が関わっていると思います。「ドーパミン」について、感受性が高い人は「新規探索性」が強く、感受性が鈍い人ほど新しいものが必要な人たちなのですが、日本人では1%程度しかいないと言われています。
また、「セロトニン」で不安傾向が決まるのですが、不安遺伝子と呼ばれている遺伝子の持ち主が97%もいるようです。アメリカだと不安遺伝子を持っている方は6割程度、南アフリカだと5割を切るようです。
入山 日本人には遺伝子的に(イノベーションを起こすのが)難しいという面があるのですね。
中野 イグノーベル賞の日本人の受賞者数は世界一ぐらい多いのですが、そこから思うのは日本人が必ずしもイノベイティブでは無いというわけではなく、本当はそういった芽を持っているが、その芽を育てる土壌が痩せていることが問題なのだと思います。
入山 IDEO(アイディオ)のトム・ケリーさんと話をした時に、日本人に一番足りないのはクリエイティブコンフィデンスだと言われたんです。クリエイターに、どこの国の人が一番クリエイティビティはあるか、とアンケートを取ると日本人が1位になるのですが、日本人にアンケートを取ると、自分にはクリエイティビティが無いと答えるんです。だからトム・ケリーさんが言うには日本人はコンフィデンス・自信をつけるべきだ、と。
中野さんのお話と符合しますよね。
中野 小さい頃から正解を選ぶ力を求められますが、これから教育したら良いのでは無いかと思っているのが「言いくるめる力」ですね。正解を選ぶ力ではなく、自分が選択したものを正解にしてしまう、他人を共感させることが大事なのでは無いかと思っています。
中野 インターネット空間が密になり、善意であるものが悪意と取られて攻撃されるようなことが多く、クリエイターの方々も息苦しい空間になっていると思います。社会性に影響を与えるホルモンがあるのですが、過剰に分泌されてしまうと自分たちと違う意見を持った対象を攻撃し出すようになる部分があります。災害時などに、こういった現象が起きやすいです。
入山 今コロナでそういった状況になっているということですね。宮内さんは、ヤフーというメディアに居られるわけですが、このような風潮などについて、どのようにお考えですか?
宮内 今メディアの在り方みたいなものも問われていると思います。日本人の特性などを知覚して、良くないコメントなどそう言ったものを減らすような試みをインターネットの中で実施していくべきかと思います。
入山 不安が多く、人との分断も出てきている世の中で、我々一人一人が心掛けるべきことはありますか?
中野 当たり前のことではありますが、善意のつもりでも悪意に取られてしまう言葉を出してしまうのが人間なので、それを心掛けていくべきかと思います。わかりやすい攻撃する喜びを求めて、そういった行動や言動の傾向が増えていますが、もっと人に優しくする方が大人の喜びなのでは無いかと思います。
次回は、本日、6月20日(土)18時から「中国データ社会を考える」というテーマで放送。
番組のエンディング付近でBOOKウォッチ編集部からもおすすすめ書籍をご紹介しますので、詳しい内容が気になる方は、文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」のエアチェックを!
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