お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんが2020年6月9日、活動自粛を発表した件について、各所ではさまざまな憶測が飛びかっている。
6月10日に文春オンラインが報じたところによると、複数の女性との不倫について、渡部さん本人が所属事務所を通じて事実関係を認め、謝罪したという。妻が女優・佐々木希さんなのは誰もが知るところだが、渡部さんの持つ他の一面、キャリアに基づく著作については、どれだけ知られているだろうか。
言わずもがな、渡部さんは芸能界きっての「食通」。これまでに出版したグルメ本は4冊あり、中にはアマゾンのレビューで高評価を得ている作品もある。今回は、そんな渡部さんのグルメ本を刊行年順に振り返り、食通としてのキャリアに注目してみたい。
はたして彼は、「食通」としてどんな言葉を綴っていたのだろうか。
2014年に出版された『芸能界のアテンド王が教える 最強の店77軒』(文藝春秋)は、年間500軒の店を食べ歩くという渡部さんが、本当におすすめしたいところだけを厳選して紹介している作品。
個室でカニをさばいてくれる店、世界遺産のオムレツの店、手づかみで魚介を食べる店......などなど、知られざる名店が盛りだくさん。
オビには、「芸能人は、店選びに困ったらこの男に聞く」と書かれており、2014年当時、すでにアテンド王として、お店の情報に精通していたことがわかる。
個性的なお店が多いので、きっとお店選びの参考になるだろう。
『芸能界のグルメ王が世界に薦める! 東京 最強の100皿』(文藝春秋)は、『芸能界のアテンド王が教える 最強の店77軒』に続く1冊。最強の「お店」の次は最強の「お皿」という切り口でまとめている。
2015年に出版された本書は、渡部さんが「この一皿を食べるために、またこの店に来なくては!」と心を震わせた100皿が掲載されている。
オビには「真のお値打ちグルメはこれだ」とある。なるほど、数百円の手頃なメニューから、大切な人と味わいたい極上の一皿まで、東京の激旨グルメが盛りだくさんだ。
当時すでに、今でいうコスパのよい店や、本当においしいものを知っていたということだろう。
なお、本書は英語のデータ付きなので、日本食を食べたい来日外国人にもすすめたい。
2016年には、『渡部流 いい店の見つけ方教えます。 すべて新店 初出し80軒』(文藝春秋)を出版。芸能界の新店ハンターとして名を馳せる渡部さんが、「いい店の見つけ方」を教えている。
オビには、「男にも女にもモテる店」とある。ただの食べ歩きでは発見できない触角をもち、日々研究していた成果だろう。
1日に6~7万人が訪れる人気ブログ「わたべ歩き」を発信している渡部さんだからこそ記せた内容ともいえ、WEBのレストランガイドでは見つけられない良い店を知ることができる。
近著は2018年1月6日に刊行した『アンジャッシュ渡部の 大人のための 「いい店」 選び方の極意』(SBクリエイティブ)。本書は、前書からさらに踏み込み、「いい店」の探し方から店でひいきの客になる方法、デートや会食・出張などにおすすめの店を紹介している。
本書は、佐々木希さんと結婚してからの刊行作品である。
オビには、「いい店」を知っていれば、仕事も恋愛も、人生はすべてうまくいく!」とある。アンジャッシュのネタの要素でもあるが、シチュエーションは大事ということだろう。
仕事の相手や恋の相手など、親密な話をするときにこそシチュエーションは大事で、いい店を知っていればうまくいくという趣旨で理解できる。
長い経験を踏まえてからの出版とあって、純粋な食好きの人はもちろん、食事をコミュニケーションの武器にしたい人まで、あらゆる人の参考になりそうな作品。
今回ご紹介した4作品をたどると、お笑いの枠にとらわれず、「わたべ歩き」の努力を重ね、食通としてのキャリアを積み上げていったことがうかがえる。
最初の3冊は、いずれも文藝春秋からの出版。3年連続で刊行しているため、一定の評価があったのだろう。近著はSBクリエイティブからの出版。
このほど活動自粛を発表した渡部さん。急に露出が減ることになるが、「わたべ歩き」の自己研鑽は続くのだろうか。
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