読むべき本、見逃していない?

すごすぎる! 166の常備食材をもれなく試して立証した「食材保存の新常識」とは?

 10年以上使った冷蔵庫がとうとう壊れたので、つい最近、新製品に買い替えた。10年も経つと冷蔵庫の技術も格段に進化している。どれも食材を長持ちさせる機能に優れ、やれプラズマクラスターだの真空チルドだのAIだのと、メーカーによってさまざまな技術が駆使されていて、選ぶのにずいぶんと迷った。

 悩んだ末に購入した冷蔵庫は、確かに肉や野菜の持ちがいい。けれど、きのこ類や玉ねぎなど、ものによってはむしろ傷みが早いような......? きっと保存の仕方が悪いのだろう。ろくに説明書も読まず、適当に突っ込んでいるのだから。

 食材の保存方法を知るには、『食材保存大全』(主婦の友社)が役に立ちそうだ。管理栄養士の沼津りえさんが、166種類の常備食材について、1つ1つ冷蔵・冷凍・常温などさまざまな保存方法で試した結果、最もおいしく味わえる保存方法を紹介している。

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画像は、『食材保存大全』(主婦の友社)

食材が傷む「7つの要因」に着目

 166もの食材をすべて試したという著者の根気強さにも恐れ入るが、本書ではまず、なぜ食材が傷むのか、その理由が紹介されていて説得力がある。

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写真は、『食材保存大全』(主婦の友社)より

食材が傷む7つの要因

(1)水分
食材に含まれる水分が蒸発してしまいみずみずしさが失われる場合と、水分が多くなることで微生物が発生する場合がある。
(2)酸化
食材に含まれる酵素と、空気中の酸素が反応して起こる反応。野菜の切り口などが茶色くなるのがその例。
(3)日焼け
日光の当たる場所に食材を置くと、温度が上がって変質する。
(4)保存する温度がまちがっている
食材には食材ごとに適した保存温度がある。温度が低すぎても「低温障害」を起こす場合がある。
(5)腐敗
有益な微生物や酵母が働くと「発酵食品」となるが、腐敗はさまざまな微生物が増殖して変質し、有毒な成分を作ることもある。
(6)熟成
野菜や果物は収穫後も成熟を続けるが、それを促すのは「エチレンガス」。エチレンガスを多く放出するもの(りんごやアボカドなど)の影響を受けやすい野菜もある。
(7)害虫
乾物や米など、長期間保存するものは小さな虫がつくこともある。未開封のものでも包装を食い破って入ることもあるので、長期保存には注意が必要。

 なるほど。きのこが水っぽくなるのは水分の問題か、あるいは温度がよくないのかもしれない。これらの要因を知っておくと、本書で紹介されている最適な保存方法が理解しやすい。

食材ごとの一工夫でおいしく長持ち

 肉類の保存のカギは「水分」にある。解凍した時に出る「ドリップ」と言われる水分を処理することで、おいしく保存できる。ドリップには、うまみや栄養分が含まれているため、水分を失った食材はやわらかくなりすぎたり、食感が変わったり、さらには残った水分が菌の繁殖を促すことも。

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写真は、『食材保存大全』(主婦の友社)より

 本書では、冷蔵、冷凍に分けて保存のコツが紹介されている。肉類を冷蔵室で保存するなら、ドリップを取り除き、ラップなどでぴっちりと包んでからチルド室で保存する。冷凍庫で保存する場合は、トレーから出してラップにくるみ、ファスナー付き保存袋に入れるのがベスト。アルミトレーの上などに置くと急速に冷凍できる。

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写真は、『食材保存大全』(主婦の友社)より

 続いて野菜類。基本的にはすべて野菜室で保存し、水分が蒸発しないようにポリ袋に入れたり、ぬらしたペーパーでくるんだり、もともと縦に生えていた野菜は立てて保存するなど、野菜の種類に合わせた一工夫で、より鮮度が落ちにくくなる。

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写真は、『食材保存大全』(主婦の友社)より

 すぐに食べない野菜は、冷凍保存がおすすめ。冷凍や解凍ムラを防いでおいしく食べるためには、以下の3つのポイントをおさえておくといい。

(1)水分を取り除く
洗ってから、ゆでてから冷凍する場合などは、できるだけ水分をとり除いておくのが鉄則。
(2)空気を抜く
酸化や霜を防ぐために、空気はできる限り抜いてから冷凍を。
(3)食べやすい大きさに切って冷凍する
使うときに楽で、冷凍・解凍も温度ムラなくスムーズにできる。

 新しい冷蔵庫の万能感にすっかり安心して、買ってきた食材を空いたスペースに詰め込んでいた自分に反省......。本書にはほかにも、家庭の常備食材166種類に適した保存方法を1種類ずつていねいに説明している。外出自粛で常にもましてまとめ買いすることが多い今、食材を無駄にせず、おいしく食べきるために、冷蔵庫横のレシピ本コーナーに並べておきたい。


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