日本でお葬式というと、だいたい型が決まっている。葬儀業者が仕切ってくれて、故人にかかわりが深い宗教に基づいて行われる。もはや土葬というのはほとんどない。ところが世界に目を広げると、様々な形式がある。2019年末に刊行された本書『弔いにみる世界の死生観』(英明企画編集)は世界各地の葬送や死生観の違いを伝える。
本書は主として金沢星稜大学人文学部で教える研究者たちが、それぞれの専門分野を軸に報告している。チベットの鳥葬なども紹介されている。死者の遺体は村はずれの高台にある鳥葬台に運ばれ、専門の職人が切り刻んでハゲワシなどの猛禽類に食べさせる。チベット人僧侶によると、鳥葬が「もっともきれいなやり方」なのだという。なぜなら、魂が抜け出た身体に対する執着を残すことがない。遺体を動物に施すという形で善行にもなるからだという。
編者の小西賢吾さんは金沢星稜大学教養教育部准教授。専門は文化人類学。研究テーマは宗教実践からみる地域社会・共同体論。チベット、ボン教徒の民族誌的研究。山田孝子さんは京都大学名誉教授。金沢星稜大学人文学部教授。専門は文化人類学、比較文化学。
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