読むべき本、見逃していない?

3万円で葬式が出せるDIY葬儀とは

  • 書名 DIY葬儀ハンドブック
  • サブタイトル遺体搬送から遺骨の供養まで
  • 監修・編集・著者名松本祐貴 著
  • 出版社名駒草出版
  • 出版年月日2019年10月 9日
  • 定価本体1400円+税
  • 判型・ページ数四六変型判・173ページ
  • ISBN9784909646255

 「お葬式を出すとどれくらいのお金がかかるのだろう」と漠然とした不安を持っている人は多いだろう。自分の手で安価な葬式を行えないかという思いで生まれたのが、本書『DIY葬儀ハンドブック 遺体搬送から遺骨の供養まで』(駒草出版)だ。

東京都では家族葬が42%に

 著者の松本祐貴さんはフリーの編集者&ライター。2年前に父親の葬儀の喪主を務めた際、ネット系の葬儀社を利用した際の不満が執筆の動機になった。

 松本さんは3つのスタイルの葬儀を提唱している。ひとつは従来通りの葬式、二つ目はハードルの高い一部を業者に依頼する葬式、三つ目が遺体の安置、搬送、火葬場の予約、通夜、告別式、納骨まですべてを自分で行うDIY葬儀だ。最安の場合、約3万円で葬儀が可能になるという。

 具体的な内容に入る前に、最近の葬式事情にふれている。

 2017年の東京都の葬儀形態は、一般葬が43%、家族葬が42%、通夜を省略する一日葬が6%、火葬のみを行う直葬が4.9%。会葬者が30人以上の一般葬が減り、会葬者が30人以下のものを総称する家族葬(近親者以外も参列)が増えているという。

 それぞれメリット、デメリットがあるが、一般葬はたくさん人を呼べば費用の自己負担が減ることもあり、雑務を葬儀社がバックアップしてくれるメリットを挙げている。

 家族葬は以前「密葬」と呼ばれた。気心の知れた身内だけで行えるメリットもあるが、香典による負担減が少なく、ほぼ自己負担になるデメリットもある。

 直葬は、遺体を自宅や安置所に運び、24時間以上経過した後に火葬場に直行するものだ。「故人が高齢で葬儀に呼ぶ人がいない」などの理由で選ばれている。本書が提唱するDIY葬儀も直葬の延長上にある。

必要なのは棺と骨壺のみ

 DIY葬儀で必要なのは棺と骨壺のみだという。棺はインターネット通販でも約3万円で入手できる。骨壺は1万円ほど。火葬費用は約6万円。国保などから約7万円の補助が出るので、都合3万円で火葬まで行うことができる。

 しかし実際には東京23区や川崎市の場合、火葬場の順番待ちが常態化している。そのため葬儀社の安置施設を利用したり自宅安置にしてもドライアイス代がかかったりする。

 本書では一般的な流れに従って、臨終、遺体搬送、安置、火葬、納骨、法要、通夜・告別式と解説している。

 すべて自分でやるDIY葬儀と言っても、遺体の搬送や安置などは業者の手を借りることもあっていい、と松本さんは書いている。

 東京都の場合、民営の火葬場では個人での予約を受け付けていない、など居住地によってさまざまな事情があるので、事前に調べておいた方がいいようだ。

 また、檀家がDIY葬儀をした場合、僧侶の立場からは檀家であってもお墓に骨を入れさせないこともあるそうだ。葬儀のやり直しになる可能性もあるので、先にお寺に相談した方がいいという。菩提寺と縁切りし、墓じまいする覚悟も求められる。

 完全なDIY葬儀をやろうという人はまだまだ少ない。臨終からの各ステップについての解説があるので、それを頭に入れておけば普通の形式でやろうとする人にも参考になるだろう。今年、身内の葬儀を二つ出したばかりの評者が事後に読んでも、なるほどと思うことが書いてあった。

 最近増えているネット系葬儀社について、「実態は葬儀社の紹介屋で、下請けに投げている」と厳しい指摘をしている。「追加料金無料と謳いながら、実際の費用が違ってくることも多い」と注意を呼び掛けている。

 BOOKウォッチでは、関連で『「定年後」はお寺が居場所 』(集英社新書) 、『さまよう遺骨--日本の「弔い」が消えていく』 (NHK出版新書)を紹介している。

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