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1日の終わりに自分をほめよう!

自分もまわりも好きになる「ほめ日記」

 人生は思いもよらぬ出来事に見舞われることがある。それでも、この先なにがあろうとぐらつかない自分になりたい......。コロナ禍を経験し、身をもってそう感じた人も多いだろう。そんなとき、ノートとペンだけで今日からできる「ほめ日記」が役に立つかもしれない。

 手塚千砂子さんの本書『1日3分の幸せ発見メソッド――自分もまわりも好きになる「ほめ日記」』(青春出版社)は、10万人が効果を実感したという「ほめ日記」の書き方のコツをまとめたもの。

 1日の終わりに自分の「いいところ」「ほめてあげたいところ」を探して自分をほめるという、至ってシンプルな「ほめ日記」。実践している人の多くが「イライラすることが少なくなった」「人とあまり比較しなくなって、『私は私』という軸ができてきた」「人間関係が良好になった」「ストレスや不安が減った」「うつ症状が改善した」など、自身の内側からの変化を体験しているという。

「ほめ日記」の効果

 著者の手塚千砂子さんは、一般社団法人自己尊重プラクティス協会代表理事、セルフエスティーム・コーチ&カウンセラー。調べてみると、農林省職員、業界新聞記者を経て、意識教育、自己開発に関わるようになったようだ。自己肯定感、自己尊重感を育てるトレーナーとして、自治体などでセミナー、講演活動をしている。本書は『「ほめ日記」効果って、何?』(2016年、三五館)を大幅に加筆修正し、リニューアルしたもの。

 「ほめ日記」がたどった長いプロセスを書いている。1988年、独自のプログラムで自己開発の指導をしていた手塚さんは、シンプルで誰でもできる、かつ効果絶大なメソッドを編み出そうと日夜考えていた。「すべての命は肯定されたときにイキイキし、持てる力を発揮する」――。植物を使った実験や動物の能力に関する知見からそう気づき、「自分をほめるワーク」をプログラムに組み入れた。

 そこから数えきれないほどのワークショップを行い検証した結果、「自分をほめるワーク」に予想を上回る効果が。そのワークを「ほめ日記」と名づけ、実証を積み上げ、理論化し、公開するというプロセスを経て、今日に至る。

 「ほめ日記」を続けていると、自分にOKを出せるようになり自分を好きになっていく。するとまわりにも優しくなり、人間関係がスムーズになる。ほかにも、小さなことに幸せを感じ言葉に出して喜ぶようにしていると、プラス言葉が口グセになり、言葉どおりのことが増えてくる、また、人として強く生きる力を持つことができるようになる、などの効果も。

 「地震などの天災や、新型コロナウイルスの感染拡大というような災難に、私たちはいつ遭遇するか予測できません。どんなときにも、冷静な判断と適切な行動によって、自分や家族を守る力を持ちたいものですね。『ほめ日記』は、この強さも身につけることができるのです」

 手塚さんが本書の原稿を執筆していたのは2020年5月。緊急事態宣言の影響もあり、かなり緊迫した状況だった。そうした中でも「『ほめ日記』を書いてきてよかった」との声が多く届いたという。

あらゆる角度からほめる

 本書は4章構成。確実に効果を上げる「ほめ日記」の書き方のコツをあますことなく紹介している。

第1章 書くだけで自分を好きになる「ほめ日記」――基本編
第2章 毎日がどんどんうまくまわり出す「ほめ日記」――上級編
第3章 「ほめ日記」で人生がこんなに変わった!――体験談
第4章 「ほめ日記」へのよくある質問におこたえします――Q&A

 ここでは第1章「基本編」から、「ほめ日記」の書き方のコツをいくつか紹介しよう。

 まず、1ページ目に「なりたい自分」を書く。「こういう私になりたい」というイメージを頭に入れて書くと、効果がアップする。その際「イライラしない私になる」など否定語を入れる書き方ではなく、「おおらかな心になる」など肯定的な書き方で。

 次に、必ずほめ言葉を使い、ほめる言い方で書く。たとえば「今朝もジョギングをした」はただの説明なので、「よく続いているね。意志が強いよ」などとつけ加える。

 ほめると言っても、できたこと、がんばったこと限定ではなく、もっと対象は広い。「映画を観て泣いたり笑ったりできる私って、感情が豊かなのね」「今日も私の心臓、10万回の拍動。優秀だね。ありがとう」など、自分をあらゆる角度から観察し、プラス面を探してほめるのだという。

■いいところ探しに役立つ「10のほめポイント」
 内面(性格や心の動き)/行動・働き/感覚・感性/発想・考え方/努力のプロセス(結果が出ていなくてもOK)/過去の自分/やらなかったことでプラスのこと/身体の働き/見た目(容姿)/プラスの変化・内的気づき・自己発見

 謙遜を善とする日本では、自分をほめることは高慢、自慢、自惚れになってしまうのではないか......と気にする人もいるだろう。しかし「ほめ日記」で表面化する自己肯定感は、相手を見下すものとは「まったく正反対の意識」であり「自慢とも違います」と、手塚さんは強調している。

 「自分の命を尊び、存在を肯定できるからこそ、他の人の命をも尊重し、肯定することができ、敬うことができます」
 「『ほめ日記』で唯一無二のあなた自身を賛美し、人生をいっそう楽しんでいただきたいと思います」

 ネットの誹謗中傷はコロナ禍で増加したようだ。ストレスがたまるとどうしても、自分に対してもまわりに対してもそのマイナス面が目につきやすくなる......。1日の終わりに自分をほめて、自分を好きになり、まわりも好きになる。「ほめ日記」は現状を好転させる一つのきっかけとして、やってみる価値がありそうだ。

 BOOKウォッチでは、自己肯定感関連で『自己肯定感の持ち方であなたのまわりが変わりだす』(青春出版社)、『ふりまわされない自分をつくる「わがまま」の練習』(株式会社KADOKAWA)なども紹介済み。



 


  • 書名 自分もまわりも好きになる「ほめ日記」
  • サブタイトル1日3分の幸せ発見メソッド
  • 監修・編集・著者名手塚 千砂子 著
  • 出版社名株式会社青春出版社
  • 出版年月日2020年9月 1日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・176ページ
  • ISBN9784413231664

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