読むべき本、見逃していない?

「名もなき家事」にイライラ・モヤモヤしてる?

3人子持ちで起業した理系の主婦が 名もなき家事をサクッと解決します!

 ふだん何気なくこなしている家事。料理、掃除、洗濯などのメジャーなものばかりが家事ではない。たとえば「郵便物を分けていらないものを捨てる」「リビングにほったらかしのものをいるかいらないか家族に聞いてまわる」など、目立たないところで必ず誰かがやっている「名もなき家事」がある。

 家事研究家・ライフオーガナイザーの香村薫(こうむら かおる)さんの本書『3人子持ちで起業した理系の主婦が名もなき家事をサクッと解決します!』(実務教育出版)は、そんな「名もなき家事」のトリセツ。「だれかがやらないといけない家事は、自分がガマンしてやるもの。そうあきらめていませんか?」と、香村さんは問いかける。

 「そんなことはありません。名前のない家事にはすべて『原因』があります。それは、家族の無関心と非効率的なやりかた。ならば、家族が楽しく参加できて効率的になる『しくみ』をつくってあげればいいんです。この本にはそんな『100』のしくみを厳選しました」

「やりすぎ」から「ほどよい」へ

 香村さんは、株式会社ミニマライフ代表取締役。大学卒業後、トヨタグループのアイシン・エィ・ダブリュ株式会社に就職。主に女性と車をテーマにしたカーナビ商品企画を担当。2014年片づけサポート業務のミニマライフ.comを創業し、今年(2020年)法人化。同じくミニマリストの夫、3人の子どもと愛知県岡崎市で暮らしている。

 「ほどよいミニマリスト」の目線とロジカルシンキングによる「共感と解決を両立させる」片づけ・家事講座には全国から受講者が集まり、出張片づけサービスは半年待ち。NHKやESSEなど、メディアへの出演多数。『トヨタ式おうち片づけ』『トヨタ式超ラク家事』『トヨタ式家事シェア』などの著書もある。

 この「ほどよいミニマリスト」「ロジカル」というコンセプトには、著者の半生が深く関わっている。まず、両親が元祖ミニマリスト。目的に合わなければ徹底して「買わない」を選択した。その影響で、著者は子どもの頃からモノに興味を示さなかった。そして「なんで?」が口癖の「スーパーロジカル女子高生」となり、義務教育ではないのに「なんで出なきゃいけないの?」と、文化祭や体育祭などの行事に出なかったという。

 社会人となり仕事に没頭し、24歳で結婚。夫婦ともに多忙であり、7年間で平日夜に一緒に食事をしたのはわずか5回。そこで家事を時短で済ませるため、家具も含め家中のモノを片っ端から捨てていった。結果、がらんとしすぎて落ち着かない家となり、「ミニマリスト」に走りすぎると暮らしがすさむことを痛感したのだった。

 香村さんは、この「やりすぎミニマリスト」の反省から「ほどよいミニマリスト」へ方針転換。モノを感情でなく数字で管理する「トヨタ式おうち片づけ」を考案し、持ち前の分析力とロジカルシンキングを武器に、片づけの専門家として家事のお悩み解決に奔走している。

家族みんなで「名もなき家事」

 前置きが長くなったが、香村さんは本書で100人のママたちと100の「名もなき家事」をリストアップし、1位から100位まであるある順にランクをつけ、解決法を提案している。

 「家族構成の違いもあるし、そもそもすべての家事をカンペキにこなすなんてムリ。......ぜひ、『ウチならこの問題、どう解決する?』と、家族みんなで答え合わせしながら読んでみてください」

 本書はマンガと写真が多く、これなら家族で共有できそうだ。ちなみに、「名もなき家事」の9割は妻が担っているという。量が多くて大変な割に、家族の評価が低い、達成感がない。家族に理解、感謝してほしいのに報われない。そう感じている人も多いことだろう。

 著者の提案する解決法は、この「名もなき家事」を省エネ・時短・分担の観点からしくみ化し、家族みんなでできるものとなっている。ただ、もちろん家族構成や生活習慣によって、「ウチはそもそもこれやっていない」「ウチにはこの解決法は無理」「これは効果ありそう」など、感想はいろいろだろう。

 個人的に100個の中で特に衝撃だったのが、第10位の「食後のまったりムードの中食べ終わった家族の食器を流しへ運ぶ」。問題の本質は「立ち上がる気力を失わせる食後のまったりムード」であり、解決法は「立って食べれば自然と運ぶ」としている。

 「立って食べることで、調味料を取ったり食器を下げたりを、自然と自分でするようになります。また、立ち食いは消化吸収が良く、ダイエット効果もあり、満腹感が得られやすいメリットも」

 逆に参考になったのが、第31位の「生ゴミの臭いがどうしても気になり何回も袋をしばる」。問題の本質は「生ゴミの悪臭対策の甘さ」であり、解決法は「ポテトチップスや食パンのPP(ポリプロピレン)製袋に入れると臭いが1/1000になる」としている。

 「ポリプロピレン製の袋に生ゴミを入れると、ポリエチレン製の袋に比べ臭いが1/1000に! エコにもなって一石二鳥」

 他にも、掃除が面倒なコンロと換気扇をリフォームで撤去したり、スマートホームサービスを利用して留守番中の子どもの様子を確認したりと、思い切ったものからハイテクなものまで、自分では思いつかない解決法がいくつもあった。家事はどこかで習うものでもなく、こうしてよその家庭のやり方を知ることは勉強になる。本書は「名もなき家事」のイライラ・モヤモヤ解消に効きそうだ。



 


  • 書名 3人子持ちで起業した理系の主婦が 名もなき家事をサクッと解決します!
  • 監修・編集・著者名香村 薫 著
  • 出版社名株式会社実務教育出版
  • 出版年月日2020年6月10日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数四六判・272ページ
  • ISBN9784788925007

オンライン書店で詳しく見る(購入もできます)

デイリーBOOKウォッチの一覧

一覧をみる

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!

おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

出版社の皆様!

御社の書籍も、
BOOKウォッチに
掲載してみませんか?