本書『妻のトリセツ』(講談社+α新書)をもっと若いときに読んでおけばよかった、と後悔する人は多いだろう。
著者の黒川伊保子さんは、人工知能研究者で、『夫婦脳』、『恋愛脳』などの著書がある。 「妻から放たれる弾を10発から5発に減らそう」と本書の目的を書いている。なぜ、ゼロでないかというと、たまに妻の雷に打たれてくれるのがいい夫だからだという。
それくらい、家事と育児のストレスは大きいそうだ。だから理不尽な理由で怒る。
妻を傷つけるネガティブトリガーを作動させるNGワードはこんなものだ。
出産直後に「楽なお産でよかったね」。授乳期に「今日一日何してたの?」「ご飯ないの?」。家事・育児の大変さをぐちられた時に「俺の方がずっと大変」「手伝ってるじゃないか」
あー、言った記憶があるという男性も多いだろう。
名もなき家事が妻を追いつめているという。下記のタスクを夫はやってみよう、と著者は具体的に提案している。
・お米を切らさない ・猫砂を切らさない ・冷蔵庫の製氷機の水を切らさない ・コーヒーを切らさない ・トイレの黒ずみを防ぐ薬を週1で投入する ・毎朝、ペットに水とご飯をやる ・毎朝、ベランダの植物に水をやる ・洗面所の鏡をきれいにキープする ・肉を焼く ・そばをゆでる ・寝る前に米を研いで炊飯器にかける
なんだ、この程度かと思うだろうが、「名もなき家事」に夫が気付き、手伝ってくれるだけで妻はうれしいという。
反対にポジティブトリガーを作ることもできる。結婚記念日を活用しようと力説する。より幸せにするために「予告と反復」が効果的だそうだ。少なくとも1か月前には予告すること。妻は記念日までの4週間を、記念日以上に楽しみ、味わいつくすという。
逆に「いつも君のことを思っている」ことをアピールできるのが普通の日だ。多少芝居がかっているが、「いつもコーヒーを淹れてくれる妻の代わりに自分でコーヒーを淹れて飲みながら『やっぱり君が淹れてくれるコーヒーの方が美味いんだよね。なんでだろ』と言う」ような行為も有効だそうだ。ちょっと手間のかかる夫が実は愛おしいのだ。それが女性脳だとも。
著者によると、同居期間30年以上の離婚件数はこの30年で4倍に増えているという。熟年離婚を切り出されないためにも、本書のアドバイスは役立つだろう。ただし、絶対に妻に本書を読んだことを知られないようにすることだ。
本書はじわじわと売り上げを伸ばしており、2019年3月12日トーハン調べではベストセラー(総合)の4位にランクインしている。
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