読むべき本、見逃していない?

「こんまり」も受けた「伝説の授業」を書籍化

  • 書名 「人生の勝率」の高め方
  • サブタイトル成功を約束する「選択」のレッスン
  • 監修・編集・著者名土井 英司 著
  • 出版社名株式会社KADOKAWA
  • 出版年月日2019年9月13日
  • 定価本体1400円+税
  • 判型・ページ数四六判・280ページ
  • ISBN9784046042262

 「人生の成功」「人生の勝利」という言葉から、あなたはどんな様子を想像し、それらをつかみとるために何が必要と考えるだろうか。本書『成功を約束する「選択」のレッスン 「人生の勝率」の高め方』(株式会社KADOKAWA)はこう言い切っている。

 「才能がないのなら、才能がなくても結果を出せる『選択』をすればいい。努力するのが嫌なら、努力しなくても勝てる『選択』をすればいい。結果を出したいなら、『選択がすべて』です」

 本書は元「アマゾンのカリスマバイヤー」で数多くの著名人を輩出し続けるプロデューサーの土井英司さんが、現代を生きる力・稼ぐ力・夢をかなえる力を手に入れるアンテナの張り方を指南した一冊。海外でも話題になっている『人生がときめく片づけの魔法』の「こんまり」こと近藤麻理恵さんも実際に受けた「伝説の授業」を書籍化したというから、その「伝説の『選択』のレッスン」を自分も受講してみたくなった。

特別に開かれた「人生を変える授業」

 著者の土井英司さんは、1974年生まれ。秋田県出身。慶應義塾大学総合政策学部卒。日経ホーム出版社(現・日経BP社)を経て、2000年にAmazon.co.jp立ち上げに参画。売れる本・著者をいち早く見つける目利きと斬新な販売手法で数々のベストセラーを仕掛ける。

 独立後は数多くの著者のブランディング、プロデュースを手掛け、11年にプロデュースした『人生がときめく片づけの魔法』が国内で158万部、世界で計1100万部のベストセラーとなる。現在、有限会社エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役。日刊書評メールマガジン『ビジネスブックマラソン』編集長。

 本書の「プロローグ」は物語風に書かれていて、早速引き込まれた。

 都内某所。21時を過ぎ、「AI時代に勝ち残るビジネススキル講座」が閉幕した。参加者200人の盛大な拍手の中、壇上から降り、控え室に戻ろうとするD氏。その後を20人程の受講者が追いかけてきた。

 控え室前で主催者側に止められそうになったとき、D氏が彼ら彼女らに声を掛けてきた。「まだ、質問がありますか? いいですよ、今日は特別に『選ぶ力』の身につけ方の続きをお話ししましょう」。不敵な笑顔を浮かべ、20人を部屋に招き入れた。この20人の人生を変える授業が始まった――。

 受講者20人がそれぞれイラストで描かれている。受講者が質問する際は、イラストに吹き出しがつく。その質問に対してD氏(土井さん)が答える、という形式でテンポよく進んでいく。受講者と土井さんのやりとりは、互いに遠慮がなくざっくばらんで、時に鋭く斬り込んでいる。読者は、教科書を読んでいるというよりライブ映像を観ている感覚になる。

凡人が結果を出す最良の方法とは?

 「第1章 結果の9割は『選択』で決まる」「第2章 『選択基準』を明確にする」「第3章 『キーパーソン』を味方につける」「第4章 価値ある『情報』のつかみ方」「第5章 『運』は戦略的に呼び込める」の5つのパートに分けてレクチャーしていく。巻末の「あなたの未来を変える10冊」は、土井さんが書評を書いて人生のどんな場面で読むといいかを紹介している。

 本書の中から、特に印象に残った「選択」の話を紹介しよう。

 ビジネスパーソンは英語、IT、ファイナンスなど、さまざまなスキルが求められるが、意識と行動を変えるだけで身につくのが「選択の力」であり、「『選択する力』を身につけ、磨き上げることこそ、凡人が結果を出すための最良の方法」とある。ようするに、人生は「あなたがどこにいるか」「誰と付き合うか」「どんな選択肢の中にいるか」で決まってしまうという。

 では、実際にどんな「選択基準」を持ったらいいのか。第2章では、以下の方法が挙げられている。

・「魅力的じゃないもの」「難易度が高いもの」こそ、最良の選択
・「自分の適性」に合う選択をしたほうが成功しやすい
・ピンときたらGO(ピンGOの法則)
・縁ができたらGO(縁GOの法則)

 「ピンGOの法則」のところで、「Dさんはチャンスを逃して後悔したことはないのですか?」と質問され「『自分の都合』を優先するあまり、チャンスを逃してしまったことが多いですね」と土井さんは答える。ユニクロやYahoo!の株を「上がりそう」という予感があったのにスルーしてしまった過去を例に、こんな教訓を得たという。

 「世の中は、あなたの状況を考慮しない。チャンスは、こちらの都合を待ってはくれない。だから、『何かが落ち着いてから』とか、『自分の準備が整ってから』と自分の都合を優先していると、チャンスを逃してしまいます」

4つのポイントで読むべき本を選択

 最後に、読むべき本の選択の仕方について。第4章の「効率よりも効果を重んじよ」では、「良い選択、筋のいい選択、成功確率の高い選択をするには、『価値の高い情報』を入手する必要があります」としている。「効率よりも効果を重視する読書」には、読むべき本を4つのポイントでスクリーニングする必要があるという。

1 時の評価に耐え、生き残ってきた本を読む
2 著者で選ぶ
3 ジャンル・カテゴリーを超える
4 「結果」ではなく「原因」が書いてある本を読む

 1では、書店の平台に並ぶ新刊ばかりに目が行く人に対して「何かを選択する際の原則でもありますが、目の前の選択肢を見て、それがすべてと思った人は、その時点で大きなチャンスを失っています」と忠告する。

 本に関する記述は土井さんの経歴が特に活かされていて、説得力があり、実感がこもっている。

 「本をたくさん読んできたからこそ、会話の質が上がったと思うし、会話の質が上がったからこそ、自分と同じ質の人、あるいは自分よりも質の高い人と知的な会話をしたいと思うようになった」

 なんとなく運を高められそうな本だと思って手にしたが、本書には土井さんだから語れる出版業界や本の話がちょくちょく出てきて、本を紹介している評者にとって収穫のある読書となった。読書好きな方が多いと思われる本欄の読者の方にもオススメしたい。

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