前著「語彙力がないまま社会人になってしまった人へ」は、ソンタク効果で注目を集めた。「最低限知っておけばいい51語」の一つとして「忖度」を紹介したところ、発売(17年1 月)からしばらくして、連日メディアに取り上げられるようになっていた森友学園問題で、この言葉が取りざたされるようになったためだ。
新著の"キーワード"としてもまずは、政治家が絡む「云々」「未曾有」を挙げる。著者は、「でんでん」「みぞうゆう」などという読みは存在しない、ときっぱり。「字面を目で追ううちにわかったつもりになってしまうのが黙読の落とし穴」と指摘する。
本書では「読み間違えやすい漢字」として「云々」のほか「市井」「相殺」「手向ける」など27語を、また「読めない漢字」として「未曾有」のほか「有象無象」「禍々しい」「似而非」など47語を、さらに「意味がわからない漢字」として「言質」「敷居が高い」「倉皇」など25語をとりあげ、計99語について漢字や言葉の持つそれぞれの意味を説明し、名文や例文により音読力が養えるようになっている。
著者はインタビューで「昭和16年に活版屋さんがルビ用の活字を金属として軍に供出して以来、日本では総ルビの本が消え、音読が廃れる一因になったらしい」と指摘。本書にはしっかりルビを施し、音読を促している。
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