大手企業の海外進出、老舗ホテルのブランド再構築、大企業病に陥った企業の社内改革、インフラ輸出、国を越えたM&A等、壮大なプロジェクトをドキュメンタリー番組等で観た人も多いと思います。番組においては、現場で獅子奮迅した企業の社員や、英断をした経営層にスポットがあたりますが、その裏ではコンサルタントが大勢活躍しています。
一般的に、陰の存在であるコンサルタントの仕事は表に出ることはありませんが、本書『コンサルティングの基本 ベストプラクティス集』はそこにフォーカスを当てました。
前作『コンサルティングの基本』は2008年5月に発刊してから10刷とロングセラーになっています。コンサルティングファームを紹介しただけではなく、その業務やプロジェクトの内容を網羅的に解説した書籍として評価いただいています。続編である本作では、コンサルティングファームの現役コンサルタントが、旬のプロジェクト事例をもとに仕事の実際を解説しました。
本書の特徴は大きく3つあります。
1.業界を代表するコンサルティングファーム10社が共著
アクセンチュア、A.T. カーニー、ガートナー ジャパン、KPMG FAS、日本総合研究所、プライスウォーターハウスクーパース、ヘイグループ、マーサ― ジャパン、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、ローランド・ベルガーという、業界を代表する10社が共著しました。テーマも幅広く、戦略コンサルティング、総合系コンサルティング、財務アドバイザリーコンサルティング、組織人事コンサルティング、新しいスタイルのコンサルティングの5分野を紹介します。
また、各社ならではのフレームワークの使い方など、コンサルティングファームの特徴が際立つ内容となっています。
2.現役コンサルタントが事例をもとに説明
有名コンサルタントの方の自叙伝等はリアルなものの、具体的な内容まではなかなか把握することはむずかしいものです。また、メディアの記事はコンパクトにまとめられている一方、費用対効果や結果のみが掲載されていることも多く、その過程がわからないこともあります。そこで本書は、現役コンサルタントが仕事内容を具体的に理解できるように説明しました。プロジェクト受注、調査・分析、インタビュー、ロジカルシンキング、戦略策定、交渉術、ファシリテーションなど、その仕事ぶりの詳細がわかります。
3.「絵に描いた餅」で終わらない
もはや、コンサルタントは高いフィーをもらって、分析や仮説を構築するだけの存在ではありません。クライアントと一緒に現地を訪れて実地調査をする、1対1で細かいインタビューをして心理面でも深掘りする、クライアントと一緒に交渉をする等、従来の「理論ばかりを振りかざす」というイメージとは正反対のコンサルタント像を本書では浮き彫りにしました。
コンサルタントをめざす人、現役コンサルタント、コンサルタントと仕事をする人にオススメの1冊です。

書名:コンサルティングの基本 ベストプラクティス集
著者:神川貴実彦
定価:1680円
発売日:2013年6月20日