ベストセラー『行動分析学入門』に続く、集英社新書の行動分析学第2弾。行動分析学特有の明快な論理に、新たな知見を加えて綴る実践編! 著者は個性的なキャラクターと端正なルックスでテレビ出演もこなす気鋭の研究者。子育て中の親から絶大な支持を得る「子育てブラックジャック」が、子どもの問題にとどまらぬ様々な行動の意外な原因を明らかにし、その解決策を明らかにする。ヒトの行動を理解して改善する、目からウロコの方法論。
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「人はなぜその行動をするのか? 人それぞれの価値観(平たく言えば「好み」)が異なっているということを押さえた上で、しかしその個人の価値観に向かっていく行動には、共通の法則があるのである。」
(第1章より)
「すぐに弱音を吐いてしまう」「ダイエットに失敗する」……日常ありがちな私たちの行動を分析するのに、難しい理論はいらない。心理学のメインテーマともいえる「なぜ、その人は○○をしてしまうのか」という問いへの答えを「価値観」や「好み」といった「心」の問題にではなく、「外部の環境」から導き出すことが可能な「共通の法則」に求めるのが行動分析学だ。
「好子」「嫌子」「出現」「消失」。あらゆる行動は、四つのキーワードで分析可能であり、先に挙げた身近な行動の説明は勿論、不登校や潔癖症といった様々な問題行動を劇的に改善することができる。本書は、著者が実際に向き合った改善の実例を豊富に揃えるとともに、新たに「阻止」という概念を紹介するなど最新の知見も交えた、行動分析学の「実践編」である。
【目次より】
<第1章 その行動をするのはなぜ?>
1.実用的な心理学
2.奇声をあげるアキラくん
3.身近な例で考える行動分析学
<第2章 行動に影響を与えるメカニズム(基本形)>
1.原因と結果を「真逆」に考える
2.行動とは何か?
3.行動を強める「強化」の原理(基本形)
4.行動を弱める弱化の原理(基本形)
5.四つの行動原理で、あらゆる行動を説明する
<第3章 行動がエスカレートしたり、叱られても直らないのはなぜ?>
1.行動の直後に何が起こったのか注目せよ
2.なぜダイエットが難しいのか
3.行動が消えてしまうメカニズム(消去の原理)
4.とても大切な消去の原理
5.社会生活に重大な変化を及ぼす「強化スケジュール」
6.強すぎる消去抵抗、消去バースト
7.叱られても止められないのはなぜ?(回復の原理)
8.「アメとムチ」という発想を捨てよう
<第4章 行動に影響を与えるメカニズム(応用形)>
1.日常の行動はもっと複雑
2.行動を強める強化の原理(応用形)
3.行動を弱める弱化の原理(応用形)
4.阻止の随伴性に伴うリスク
5.強迫性障害を形成するメカニズム
6.阻止の強化による強迫性障害
7.エクスポージャーを行動分析学でとらえ直す
<第5章 行動は見た目よりも機能が大事>
1.行動の機能は四つしかない
2.同じ行動のように見えるが同じ行動ではない、という落とし穴
3.家庭での問題から(不登校の連鎖、そして回復へ)
4.ウソを簡単に見抜く方法
5.てんびんの法則
6.奇声をあげる男の子
7.嘔吐を繰り返す女の子
8.リストカットがやめられない女子学生
<第6章 日常にありふれた行動も>
1.トークンエコノミー法
2.FTスケジュール
3.“任意の努力”を目指して
【著者プロフィール】
奥田 健次(おくだ けんじ)
1972年、兵庫県出身。専門行動療法士、臨床心理士。桜花学園大学大学院客員教授、法政大学大学院非常勤講師。2011年11月に行動コーチングアカデミーを設立。代表を務め、発達障害、自閉症、不登校などの問題解決を行う。緻密な指導プログラムで子どもの問題行動を改善させることから、「子育てブラックジャック」と呼ばれる。著書に『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』(大和書房)『子育てプリンシプル』(一ツ橋書房)など。
http://shinsho.shueisha.co.jp/書名:メリットの法則 行動分析学・実践編
著者:奥田 健次
発売日:2012年11月16日
定価:777円(税込)