ついに衆議院選挙が公示され、選挙カーが街に繰り出すようになった。この本の著者も選挙カーに乗って選挙うぐいすをやっていた。どんな声を発すれば、有権者の耳に心地よく届き、主張や名前を聞いてもらえるのか。そもそも選挙うぐいすの声は、一般の人の声と違うじゃないかと思われる方は多いだろう。しかし、著者にいわせれば、声は変えられる。発声の癖が、その人の独自の声をつくっていて、その癖をなおせば、いとも簡単に声を変えられるという。
声で損をしたり、誤解を受けたりする例は多々ある。やる気がないとか、冷たいとか、軽薄だとか思われる。あるいは、この人は何でも引き受けてくれるのではと思われたり、好きな人と話してワクワクしているのに、無関心なのだと思われたり、いったいこの人は何を考えているのだろうと思われたり、コワいと思われたり……。声だけでそんな印象を相手に与えているとしたら、あなたは人生を浪費している、かわいそうな人だ。
でも、一から発声法を学べば、そんなマイナスの印象は払拭され、がらりとあなたのイメージを変えることができる。
まずは、声のイロハを学ぼう。声には、以下のようにさまざまな色がある。
・陽の声(明るく含みのない語尾が上がる声)、陰の声(深みがあり語尾が下がっている)
・速い声(発するものに主体性のある声)、遅い声(相手のテンポにあわせる寄り添う声)
・温かい声(温もりのあるやさしく包み込む声)、冷たい声(相手を突き放す声)
そして、職業やTPOによって使い分けるべきタイプ別の声を知ろう。
・陽の声 ツアーコンダクターの声、カップリングパーティの声
・陰の声 精神科医の声、葬儀司会の声
・想像させる声 優秀な営業マンと有能な詐欺師の声、個性派ヴォーカリストの声
Etc.
上記の声を手に入れるためには、タイプ別に練習方法がある。また職場やプライベートでも場面ごとに役に立つ発声のノウハウがある。興味をもたれた方は、ぜひこの本をひもといてほしい。
著者は、選挙うぐいすばかりではなく、司会業、テレフォンオペレーター、ツアーコンダクターなどさまざまな声の職業を経験してきた。その実体験が、この発声法を裏打ちしている。あなたもバリエーションにとんだ発声法を身につけ、人生ハッピーに過ごしてほしい!
書名:できる人は声を使い分けている 心を操る発声法
著者:高山華奈
発売日:2012/11/16
定価:1,575円(税込)