2023年1月、19世紀の博物画をまとめたビジュアル・アーカイブ『フランス老舗出版社の至宝 ラルース百科事典の芸術』(グラフィック社)が発売される。翻訳は神奈川夏子さん。
辞書・百科事典で有名なフランスの老舗出版社「ラルース」。本書は、19世紀にラルースより刊行され、現代に至るまで改訂が続けられてきた『ラルース百科事典』を抜粋した図鑑『Planches insolites 170 ans de trésors』 (Larousse・2022年発行)を底本とし、翻訳出版したもの。多岐にわたるジャンルの色鮮やかなレトロイラストとともに、百科事典ならではの多彩な知識が紹介されている。
たとえば、蝶のページでは、蝶からインスピレーションを受けて生まれたフランスのさまざまな言い回しをピックアップ。「チョウのように飛ぶ(下らぬことに夢中になる)」、「チョウ的にふるまう(移り気である)」、「目でチョウの羽ばたきをする(まばたきする)」などのフレーズから、蝶ネクタイ、蝶ナット、水泳のバタフライのような単語、さらには、ワイパーに挟まれている小さい紙きれがチョウのように見えることから「パピヨン」と呼ばれるようになった駐車違反通告票まで、さまざまな例が挙げられている。
このほか、ラルース社ならではの豊富なアーカイブから、アドルフ・ミヨなど有名挿絵画家の美しい作品を厳選。約2700点以上のモチーフが、10ジャンル・74項目にわたり、現代の解説を添えて掲載されている。日本語版は、動植物、昆虫、藻類、菌類など4人の専門家の監修つき。さまざまな科学知識やフランスの文化も学べる、博物学の入門書となる1冊だ。
【目次】
羽ばたく者たち/陸上に住む仲間たち/深海の生き物たち/畑での仕事/果樹園とブドウ園で/庭のさまざまな顔/都会の喧騒/工房にて/舞台に集まれ!/場の騒乱のなかで/挿絵画家の紹介
■Larousse(ラルース)社プロフィール
ラルース社は19世紀半ばから、各種の事典類を多数出版してきたフランスの超老舗出版社。1852年創業。特に辞書や百科事典で知られる出版社。現在はアシェット・グループ。
■神奈川夏子さんプロフィール
かながわ・なつこ/東京都出身。日仏英翻訳者。上智大学博士前期課程修了。サイモンフレーザー大学日英通訳科修了。訳書『偉大なる指揮者たち』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)、『モードデザイナーの家』(エクスナレッジ)、『BIG MAGIC「夢中になる」ことから始めよう』、『最新世界紛争地図』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、『脚・ひれ・翼はなぜ進化したか』(草思社)、『CIMARRON シマロン ブラック・アイデンティティー ―南北アメリカの仮装祭』、『インドの信仰と仮装 分かち合う神々の姿 AAM AASTHA』(共に青幻舎)他。
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