本を知る。本で知る。

退屈な毎日を楽しむコツは、本に教えてもらおう。【お悩み解決BOOKコンシェルジュ 6】

BOOK HOTEL 神保町

BOOK HOTEL 神保町

旅するクリームソーダ

 連載「お悩み解決BOOKコンシェルジュ」では、東京都神保町の「BOOK HOTEL 神保町」のスタッフが、毎月読者のお悩みを解決する本を紹介しています。

 ホテルでは、日頃から「ブックカウンセリング」や「ブックマッチング」という選書サービスで、利用者のお悩みを受け付けています。内容は人によってさまざまですが、キャリアや人生について、日頃の違和感など、多くの人が共通して直面するお悩みもあるそうです。

 そこで今回は、ホテルに寄せられるお悩みでよく耳にする質問を取り上げます。

【お悩み】
日々がとても退屈です。退屈を脱出するためのヒントとなる本はありますか?

 夏休みやシルバーウィークも過ぎ、特別なイベントも残り少なくなってきたこの季節。何気ない毎日が少しでも楽しいものになれば、日々はもっと豊かになるはず。ホテルスタッフ3人が、退屈から抜け出すヒントとなる本を選んでくれました。

退屈なんか、美しいクリームソーダで飲み干しちゃえ。

『旅するクリームソーダ』
著:tsunekawa(ハーパーコリンズ・ジャパン)

『旅するクリームソーダ』 著:tsunekawa(ハーパーコリンズ・ジャパン)

▼あらすじ
 クリームソーダ職人tsunekawaさんによる〈旅×クリームソーダ〉の記録を綴ったフォトエッセイ。雪の降る北海道や淡路島の海など、各地の風景と一緒に撮影されたクリームソーダの写真はとても美しく、一緒に書かれた文章は心を柔らかくしてくれます。写真に登場するクリームソーダのレシピも記載されているので、読者が自分でクリームソーダ作りに挑戦できるのも魅力のひとつです。

▼選書理由
 日々が退屈な時、旅行に行きたくなりませんか?今見えている景色から少し離れて、自分が普段見ないものや、今までに見たことがない景色に出会う。旅ほど身近で贅沢な現実逃避はないのでは、といつも思います。 「旅するクリームソーダ」は、旅とクリームソーダが組み合わさったフォトエッセイです。題名だけでは、旅とクリームソーダの掛け合わせが思い浮かばず、頭を傾げてしまうかもしれません。でも、一度ページをめくると、あら不思議。クリームソーダと巡る旅路は幻想的で美しく、心が踊ります。どこかに旅しなくても、読めば読むほど、旅行気分が味わえる作品です。 本では、写真に登場するクリームソーダのレシピも登場します。ぜひお家で美しいクリームソーダをつくって、退屈を飲み干しましょう!

(担当:長野)

 BOOKウォッチの紹介記事はこちら。→<美しすぎるクリームソーダ。四季のうつろいをグラスに映し出す職人技に感動!

日々使っている言葉は、想いと色で溢れている。

『彗星交叉点』
著:穂村弘(筑摩書房)

『彗星交叉点』 著:穂村弘(筑摩書房)

▼あらすじ
現代短歌を代表する歌人のひとりである穂村弘さんのエッセイ。日常で偶然耳にした言葉やフレーズに、詩を扱うように丁寧に解釈を加えていきます。普段は聞き逃しそうな言葉の奥に、思わぬ姿や景色を見出せる作品です。

▼選書理由
 日々は同じことの繰り返しのように思えるけど、毎日が全く異なる。耳にタコができるくらい聞き慣れたことですが、体感することは本当に難しいと思います。
 それは毎日何気なく使っている言葉でも同じではないでしょうか。同じ言語で同じ言葉を使っていても、前後の文脈や場面によって大きく変化し、意味合いに奥行きが出る。「彗星交叉点」はその変化を「偶発性による結果的ポエム」として拾い上げる穂村さんの視点を一緒に覗かせてもらえるようなエッセイです。
 何気ない言葉を様々な角度からじっくり観察する穂村さんの視点は、日々のなかに実は面白く鮮やかな言葉たちがたくさんあることを教えてくれます。イヤホンを外して、外でいろんな言葉を聞いてみると、退屈しない日々になるのでは?

(担当:外村)

夢中になれるもの」は身近なところにあるのかも。

『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』
著:岡田悠(河出書房新社)

『10年間飲みかけの午後の紅茶に別れを告げたい』著:岡田悠(河出書房新社)

▼あらすじ
ライターの岡田さんが自身の「部屋」について書いたエッセイ。目次を見るだけでワクワク、読み始めたら驚きと笑いが止まらない、日常エンターテインメントです。

▼選書理由
 携帯電話の取り扱い説明書のメールの例文を片っ端から集めて、1人の男性の人生を想像する......きかんしゃトーマスを1話から見て、事故の原因を分析する......などなど、岡田さんの目の付けどころと、探求心がとにかく凄いんです!
 いつも何気なく過ごしている自宅の中。リビングやトイレ、お風呂、寝室......。もしかしたら、今までは見過ごしていた面白そうなものや、些細な疑問点が見つかるかも!と思わせてくれます。
 岡田さんのように執念とも言えるような追究は難しいですが、たとえば「いつもは捨ててしまうようなものをじっくり眺めてみる」「好きな作品を見返してみる」などの行動がきっかけで、新たな発見があるかもしれません。

(担当:石原)

お悩み募集中!

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 読者投稿フォームから、お悩みの具体的な内容(500文字程度~)、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいたお悩みを編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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  • 書名 旅するクリームソーダ
  • 監修・編集・著者名tsunekawa 著
  • 出版社名ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 出版年月日2022年2月16日
  • 定価1,496円(税込)
  • 判型・ページ数128ページ
  • ISBN9784596319128

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