2023年9月7日、同日に発売された『CREA』2023年秋号(文藝春秋)において、同誌で第二回となる「CREA夜ふかしマンガ大賞」が発表された。
「CREA夜ふかしマンガ大賞」とは、マンガ好きの推薦者とCREA編集部員、そして読者の投票により選ばれた「思わず夜ふかしして読みたくなる」、そして「いま、CREA読者に本当におすすめしたい」作品に贈られる賞。今回は、2022年7月~23年6月に単行本の新刊が発売された(ただし、合計5巻以内)、もしくは、雑誌などに最新話が発表された作品を対象としている。
選考には、各界を代表するマンガ好き30名が参加。犬山紙子さん(イラストエッセイスト)、宇垣美里さん(フリーアナウンサー・女優)、岸田奈美さん(作家)、雲田はるこさん(マンガ家)、コナリミサトさん(マンガ家)、佐久間宣行さん(テレビプロデューサー)、スカート・澤部渡さん(ミュージシャン)、つづ井さん(マンガ家)、鶴谷香央理さん(マンガ家)(以上50音順)をはじめ、ベテラン書店員やマンガ研究家、専門ライターが、2023年のナンバーワンを選出した。また、今年から一次選考として、一般読者による投票も実施。1500を超える投票が集まった。
第二回大賞受賞作は、田沼朝さんの『いやはや熱海くん』(KADOKAWA)。田沼さんは、大阪府生まれ。2014年より同人活動を始め、21年5月に商業誌デビュー。23年1月に漫画誌『ハルタ』(KADOKAWA)にて連載中の『いやはや熱海くん』第1巻と『四十九日のお終いに 田沼朝作品集』の同時刊行が話題となった、いま注目の描き手だ。
熱海くんは、学年一の美形で、毎日のように女の子に告白されるが、実は同性が好きな高校生が主人公。同性愛を扱ってはいるが、「BL」でも「ブロマンス」でもなく、安易なジャンル括りを「必要としない」と宣言しているような物語になっている。
審査員からは「今年、友人や仕事仲間におすすめしている作品No.1」、「ハイテンションでもコテコテでもない、関西弁のやりとりがなんとも心地いい」、「読んだ後の人生に、ポジティブで静かなガッツをくれる作品です」と称賛するコメントが寄せられている。
第2位以下にも、現在14人に1人が体外受精で生まれる日本で、不妊治療の要となる「胚培養士」の仕事を詳らかに描く『胚培養士ミズイロ』(おかざき真里)、映像化で話題になった『イチケイのカラス』の作者による本格サスペンス『クジャクのダンス、誰が見た?』(浅見理都)、平均年齢70歳の大人の恋と人生の物語『僕らが恋をしたのは』(オノ・ナツメ)、マンガ好きの間で、いま最も注目を集める『みちかとまり』(田島列島)、ヒロインとふたりの青年の約20年の歳月を語りおろすイタリア発のグラフィック・ノヴェル『秒速5000km』(マヌエレ・フィオール)など、現代を象徴する作品がランクイン。ベスト10の結果は以下の通り。
「CREA夜ふかしマンガ大賞2023」 ベスト10ラインナップ
1位 『いやはや熱海くん』 田沼朝(KADOKAWA)
2位 『胚培養士ミズイロ』 おかざき真里(小学館)
3位 『クジャクのダンス、誰が見た?』 浅見理都(講談社)
4位 『大丈夫倶楽部』 井上まい(レベルファイブ/トゥーヴァージンズ)
5位 『僕らが恋をしたのは』 オノ・ナツメ(講談社)
6位 『クジマ歌えば家ほろろ』 紺野アキラ(小学館)
7位 『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』 大白小蟹(リイド社)
8位 『みちかとまり』 田島列島(講談社)
9位 『私たちが恋する理由』 ma2(祥伝社)
10位 『秒速5000km』 マヌエレ・フィオール(マガジンハウス)
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