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わが子が友達を失明させてしまったら? 親が知るべき『子育て六法』

子育て六法

 2023年8月19日、弁護士・高橋麻理さんの著書『子育て六法』(日東書院本社)が発売される。子育てでありがちなトラブルから、できれば起きてほしくない深刻な問題まで、100の質問に法的観点で回答。わが子を犯罪の被害者にも加害者にもさせないために、親が知っておくべき法律の知識を網羅した、全保護者必読の書となっている。

 今回はその中から、子ども同士で棒遊びをしていて、わが子が友達を失明させてしまった場合の親の責任について紹介しよう。

『子育て六法』高橋麻理著(日東書院本社)
『子育て六法』高橋麻理著(日東書院本社)

まずは慎重に事実関係の確認を

 幼い子どもが他人にけがを負わせてしまった場合、それによって生じた損害の支払義務は基本的に親にある。後遺障害が認められれば、その損害はとても大きなものになり、請求される金額もかなり高額になる。

 損害は、治療費・入通院にかかる費用などはもちろん、後遺障害がなければ将来得られたであろう収入(逸失利益)や、後遺障害を負ったことにより受けた精神的苦痛についての慰謝料が請求される場合もあるとされる。

 他人の子どもを失明させるという出来事に直面した親は、相手の子どもと保護者への申し訳なさから、「すぐにしなければ」 「お支払いをしなければ」と焦ってこれらの請求に応えてしまう場合が多い。しかし、著者によれば、このような拙速な決着は、後々のトラブルの原因になる可能性が高いという。

 たんに「棒遊びをしていて」といっても、その棒はどこにあって、それを誰が持ち込み、誰がどんなふうに棒を動かして、何が直接の原因となり、その棒がどのように当たって、最終的に友達にけがを負わせたのか、という事実を明らかにしないと、 法的な責任の基礎となる子どもの行為は特定できない。その状態で賠償の話を始めると、後々金額の話し合いをする中で、それぞれの認識や気持ちにギャップが生まれてしまう。

 まずは、何があったのかという事実関係を明らかにすることや、出来事の評価をすることが先決。とても大きな金額の話になるため、弁護士に相談し、必要であれば弁護士を代理人として相手との話し合いに臨むのもひとつの選択肢になるという。

『子育て六法』高橋麻理著(日東書院本社)
『子育て六法』高橋麻理著(日東書院本社)
【著者メッセージ】
弁護士である私も、トラブルに直面したとき、すぐに法に基づく解決方法が理路整然と思いつくわけではありません。
でも、どんなときでも、「この状況に対して、法はどんな解決法を用意しているか?」と考えるくせをつけておくと、それだけで、少しだけ冷静に対処することができるように思います。
子どものトラブルに直面するたび、私は、何が事実なのかを見極めることの大切さや、いろいろな立場にあっても共通して守るべき法の知識の重要性を痛感しています。
そんなとき、法の知識は最強の「お守り」だと感じるのです。
親である私は、いつまでも子どものそばに張り付いて、子どもの笑顔を曇らせる全てのトラブルを解決できるわけではありません。子どもが自分でトラブルを解決する力を育てていく必要があると思っています。
私と同じように、大事なお子さんの身に降りかかるトラブルをどうやって解決したらいいかと思い悩み、わが子が自分でトラブルを解決する力をつけられるようにと願う保護者の皆様に、この「お守り」をお届けするために、本書を書き綴りました。
(はじめに より)

<CONTENTS>トラブル事例より一部
***妊娠中~乳児期のトラブル***
・職場に妊娠を知らせたらプロジェクトから外された。
・夫の育休申請が「前例がない」と却下された。
・電車内で赤ちゃんを乗せたベビーカーを蹴られた!
・短時間なら乳児を寝かせて外出しても大丈夫?

***幼児期のトラブル***
・よその犬をさわろうとして咬まれてしまった。
・会計前の商品を壊した!
・お友達の家の家具を派手に汚してしまった!
・子ども同士のけんかでお友達にけがを負わせた。
・子どもが保育所で大けが。
・登園時、スクールバスに1時間ほど置き去りにされた。
・保育士が子どもを叱るとき押し入れに閉じ込めるなど問題行為があるようだ。
・自分の子どもだったら、写真や子育てエピソードをSNS に投稿してもいい?
・言うことを聞かない子どもについ手を上げてしまった。

***いつでも身近にあるキケン***
・子どもが車道に飛び出して交通事故に遭ってしまった。
・公園のトイレに連れ込まれへんなことをされたらしい。
・ふざけてお友達の服を脱がせた。
・肌を露出した写真を撮影されていた。

***小中学校のトラブル***
・学校の高そうな備品を壊してしまった!
・友人に1万円貸したきり返ってこないらしい。
・親に無断でゲームに課金して高額請求がきた。
・公園の遊具でけがをした。
・裸足に薄着で歩いている幼児がいる。
・SNSで誹謗中傷に遭っている。
・出会い系サイトを友達と遊び半分で閲覧している。
・SNSに顔写真や個人情報をUPしていた。
・給食の完食指導のせいで子どもがPTSDを発症。
・ブラック校則は子どもの人権を侵害しているのでは?
・部活の顧問に殴られている。
・組体操で落下して骨折した。
・生理でプールを休んだら、かわりに校庭を走らされた。
・親がPTA に加入しなかったら子どもが記念品をもらえなかった。

***子どもの気になる行動***
・海賊版サイトでマンガを読んでいる。
・動画投稿サイトでゲーム実況を配信している。
・子どもが万引きをして通報された。
・SNSで芸能人に誹謗中傷のコメントを送っていた。
・兄が妹に性的ないたずらをしているようだ。
・野良の子猫を痛めつけて遊んでいた。
・火遊びが好きでマッチやライターで遊んでいる。
・飲食店で悪ふざけをして撮影した動画を友達同士で送っていた。

***いじめは絶対に許されない***
・いじめなのか遊び・悪ふざけなのか判断がつかないことがある。
・「いじり」と称して言葉のいじめに遭っている。
・チャットグループから外されたりSNS上で悪口を言われたりしている。
・いじめられる方にも原因がある場合はいじめられても仕方ない?
・いじめの傍観者でいることを気に病んでいる。
・いじめを学校に訴えても何も対処してくれない。
・いじめ被害を警察に訴えても対応してくれない。

***家庭でのトラブル***
・生活態度が悪いので、つい手を上げてしまうことがある。
・子どもに家事全般や家族の介護を担ってもらっている。
・受験のために、家庭でかなり厳しく学習指導をしている。
・DVから親子で避難したい。
・子どもが家出をした。etc...

高橋麻理さん
高橋麻理さん

■高橋麻理さんプロフィール
たかはし・まり/弁護士。第二東京弁護士会所属。弁護士法人Authense法律事務所。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。2002年検察官任官。東京地検、大阪地検などで勤務後、2011年弁護士登録。社外役員(社外取締役・社外監査役)に就任し、社内不祥事予防等業務に従事する一方、子どもが関わる離婚問題、子どもに関わる犯罪、学校問題等にも取り組み、子どもへの法教育として小中学校でのいじめ予防授業、保護者向け講演なども行う。法律問題を身近なものとしてわかりやすく伝えることを目指し、テレビ、ラジオ、新聞等メディア出演も多数。『大人になる前に知ってほしい 生きるために必要な「法律」のはなし』(ナツメ社)共同監修。一人の母として子育て奮闘中。

■オキエイコさんプロフィール
イラストレーター。SNSや書籍で妊娠・出産、育児、猫マンガを発信。著書に『ダラママ主婦の子育て記録 なんとかここまでやってきた』『ねこ活はじめました』(KADOKAWA)など。猫の母子手帳『ねこヘルプ手帳』などを手がける。


※画像提供:辰巳出版

 
  • 書名 子育て六法
  • 監修・編集・著者名著者:高橋麻理、イラスト:オキエイコ
  • 出版社名日東書院本社
  • 出版年月日2023年8月19日
  • 定価1,650円(税込)
  • 判型・ページ数A5判・224ページ
  • ISBN9784528024090

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