2023年7月7日、『沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日』(自由国民社)が発売された。本書は、沖縄へ移住した、ながもと みちさんが、本土とは異なる沖縄生活の何気ない習慣、季節のできごと、大切にしている価値観まで、ささやかな日常を365日分、色彩豊かな写真とエピソードで綴ったエッセイ集だ。今回はその中から、本土の人間があまり知らない「うちなーぐち(おきなわ語)」について紹介しよう。
同じ日本に住んでいても、「うちなーぐち」が何を意味しているのか当てるのは難しいかもしれない。たとえば「ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ、チャーガンジュウですか?」は、運動会やお祭りなどでの沖縄のスピーチ挨拶の決まり文句で、「みなさん、こんにちは、お元気ですか?」という意味だ。
「チャーガンジュウ」は、チャー(いつも)、ガンジュウ(頑丈)で、健康という意味。那覇市には、高齢者福祉を担当する「ちゃーがんじゅう課」があり、 沖縄県が介護予防のために作ったキャンペーンソング「ちゃーがんじゅう体操」もある。子どもたちが、祖父母の家から帰るときには、「おじい、おばぁ、チャーガンジュー、シミソーレー」(元気でいてね)と手を握っているという。
ほかにも、パッと見で意味が使えない言葉はたくさんある。沖縄では「ウミアッチャー」は海人(漁師)のことを指すが、沖縄の英雄で石垣島出身のボクサー・具志堅用高さんがテレビ番組で使った時には、アナウンサーが困惑していたという。
【目次】
〈4月〉 守り神のシーサー/春を呼ぶ、うりずんべー/心に響く「黄金言葉」... etc.
〈5月〉 日曜日は子どもの日!/食品スーパーは遊園地/時間厳守という恐怖... etc.
〈6月〉 朝のおいしい風景/紅型のある暮らし/海の色の名前... etc.
〈7月〉 元気でね!ウミガメの赤ちゃん/クリーム味の島バナナ/七夕は、お墓掃除の日... etc.
〈8月〉 龍のうろこ、ドラゴンフルーツ/命と平和/台風時の定番、ソウミンタシヤー... etc.
〈9月〉 古酒は沖縄の宝/星と生きる星文化/海から豚がやってきた... etc.
〈10月〉 欠けているから美しい/それぞれの首里城/世界のウチナーンチュの日... etc.
〈11月〉 カチューユは栄養食/ユイマール文化/どう読むの?沖縄の地名... etc.
〈12月〉 魔除けのヒンブン/南国の温泉事情/詫びと感謝は最大の祈り... etc.
〈1月〉 健康を祈る餅、ムーチー/一生うちの子プロジェクト/沖縄のお正月は3回ある?... etc.
〈2月〉 日本一早い、桜の季節/悪口を良い口に直す儀式/精霊の住む木・ガジュマル... etc.
〈3月〉 子どもが大好き、ニンジンシリシリ/家を守る屋敷御願/ブックホテル浜比嘉別邸... etc.
■ながもと みちさんプロフィール
株式会社大切なこと研究所代表取締役。ブックホテル「浜比嘉別邸」、出版社「絵本スタジオアコークロー」、教育事業等を運営。20代に世界放浪後、東京で激務の出版社時代に体調を崩し、2008年沖縄移住。雑誌編集者、新聞記者を経て、現職。著書は『ていねいに旅する沖縄の島時間』(アノニマ・スタジオ)など10冊以上。
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