2022年5月11日に亡くなった、お笑い芸人の上島竜兵さん。多くの人に愛された上島さんの突然の訃報は、日本中に驚きと悲しみをもたらした。
このたび、妻の光さんによる書き下ろしエッセイの発売が決まった。タイトルは、『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA)。2023年8月10日に発売予定だ。
これまでメディアによる取材には応じてこなかった光さんだが、「竜ちゃんが世間から忘れ去られないように」という思いで、エッセイを刊行することにしたという。なぜ"竜ちゃん"は死を選んだのか――。亡くなる直前、ちょっと様子が不安定になっていたという竜兵さん。家族として一番近くにいて違和感に気づきながらも、助けることができなかった悲しみ、悔しさ、無力感......。自分はあのときどうするべきだったのか。今なお葛藤する心の内を、本書で初めて明かしている。
心に沸き上がる竜兵さんへの「怒り」を綴りながらも、どうしても憎めない「竜ちゃん」との日々。珍エピソードやほろ苦い思い出も書かれている。
竜兵さんが他界した数か月後に、乳がんが発覚した光さん。親族や友人に支えながら闘病生活を経て、今を生きている。
「葬儀終了後にマスコミへ発表した、私のコメントの中の「竜ちゃんのことを忘れないで下さい」という文面は、作家の永六輔さんの言葉に感銘を受けた竜ちゃんが、生前、よく口にしていたことに由来します。
『人間は二度死にます。まず死んだとき。それから忘れられたとき』
『人は、忘れられたときが本当の死だ』と、竜ちゃんは常々言っていました。
でも、皆さんに竜ちゃんのことを忘れないでと言っている私なのに、現実が辛過ぎて、竜ちゃんの記憶を頭の中から消してしまうかもしれないという恐怖がありました。
前向きな今日と後向きの昨日が繰り返す、悲しみと、とまどいの日々の中、私がどうやって今日まで過ごしてきたか。そして、自分勝手だけどキュートで繊細だった、私の大切な旦那様の話を、記憶が無くならないよう、忘れられないよう、思い出をかみしめながら書き記しておこうと思います」(「はじめに」より)
上島さん亡き後、心身ともに辛い日々を送っていた光さん。上島さんのことを伝えるために、真心を込めて書かれたエッセイだ。妻の立場から明かす上島さんのエピソードから、その人柄を知ることができるはずだ。
【目次】
第1章 涙と笑いに包まれた葬儀
第2章 出会いと結婚、別れの日
第3章 夫婦の日々と志村けんさん
第4章 芸人仲間に支えられた「竜ちゃん」
第5章 「竜ちゃん」の後始末
第6章 終わりなき悲しみの向こう側へ
■上島光さんプロフィール
うえしま・ひかる/1970年10月6日生まれ。女性ものまねタレント。高校時代から芸能界を志し、1988年、フジテレビ系の「発表日本ものまね大賞」で優勝し、芸能界入り。1994年に上島竜兵と結婚し、結婚後は一時主婦業に専念するが、その後ものまね番組や情報番組のリポーター等で活動。芸名は広川ひかる。
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