お笑いトリオ、ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが、5月11日未明に死去したと報じられた。61歳だった。「親戚のおじさん」のような存在だった、国民的なお笑い芸人の突然の死に、衝撃が広がっている。
上島さんは2010年、49歳の時に、『人生他力本願 (14歳の世渡り術)』(河出書房新社)という本を出している。
「完璧じゃなくてイイんだよ」「無理せず自分に合った生き方を」「人に頼る。だって俺より面白いんだもん」......など、当時、芸能界で20年以上にわたって生き抜いてきた上島さんが、14歳という多感な年ごろの子どもたちに向けて書いた処世訓だ。
上島さんが49年間の人生で身につけた、49の世渡り術が並んでいる。
「これからの人生、主役を目指すだけじゃなくって、誰かに頼りながら生きていく「他力本願」な生き方でいいんです!」
無理をせず、誰かに頼ってもいい、と説く一方で、「真面目にやってりゃ、何とかなる」「引き受けた仕事は投げ出さないこと」など、上島さんが仕事に、そして人生に、真摯に向き合ってきたことがうかがえる。
「他力本願」は「他人の力をあてにする、人まかせ」といった意味で使われることが多いが、「くらしの仏教語豆辞典」(本願寺出版社)によると、もとは浄土教のことばで、「他力」とは「他人の力ではなく、仏の力、阿弥陀仏の慈悲のはたらきをいう」とある。「仏さまの生きとし生けるものを救わずにはおれないという強い願いのはたらき」が、「他力本願」の本来の意味だそうだ。
もしかしたら本書には、両方の意味が込められていたのかも、というのは深読みしすぎだろうか。どちらにしても、切ない。本書を読んだ人々からは、「人生が楽になった」「この本に助けられたのに...」「信じたくない」と、上島さんを悼む声が寄せられている。
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