憲法十七条を制定した人として、学校で必ず教えられた聖徳太子。しかし、近年、「聖徳太子はいなかった」とする説が有力になりつつあり、教科書からも髭と笏を持ったお馴染みの太子像が消え始めている。私たちが学校で教えられた"歴史の事実"は、決して確定したものではなく、歴史とは新たな文献、物証によって、書き替えられてゆくものなのだ。
2023年6月2日に発売された『新説 学校では教えない日本史』(扶桑社)は、従来の歴史を書き換える新説・奇説を多数掲載。織田信長や徳川家康から、来年の大河ドラマの主人公「光る君へ」の紫式部まで、話題の偉人たちの思いもよらない"もうひとつの歴史"に触れられる内容となっている。
たとえば、徳川家康については「修行僧とのすり替わり説」を紹介している。村岡素一郎の著作『史疑徳川家康事跡』によると、松平元康は家臣に殺され、浄慶という修行僧が元康になりすまし、のちの家康になったのだという。
しかし、この説は世間に受け入れられなかった。静岡の官吏だった村岡は、公務の合間に徳川家のお膝元・駿河を調査していたが、『史疑徳川家康事跡』が発刊される前に罷免されたとされる。1902年に発売された本書自体も、近年復刊されるまで長らく絶版になっていた。
「すり替わり説」は根拠となる史料のない想像の産物ではあったが、そのロマンにあふれた内容や村岡の受けた冷遇によって後世に大きなインパクトを残した。歴史小説の世界にもその影響を受けた作品が多数ある。
このほか、山本勘助、大久保利通、坂本龍馬、織田信長についての「思いもよらない"もうひとつの歴史"」が盛りだくさん。いったい何が"事実"なのか? その答えを、実際に本書を手にとって確かめよう。
【目次】
第1章 陰謀~歴史の"事実"を作りあげた陰の策士たち
第2章 暗殺~真の首謀者は誰なのか
第3章 正体~歴史に燦然と輝く人物の真の姿とは
第4章 足跡~偉大なる業績を残した歴史の功労者たち
第5章 事件~歴史的大事件の主人公に選ばれし者たち
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