2023年4月1日、理学博士・管理栄養士の古谷彰子さんによる新著『決まった時間に起きて食べるだけ 10時間空腹リセットダイエット』(主婦の友社)が発売された。
「平日は早起きな分、休日はだらだらと寝てしまう」「朝は食欲がないから食べない」......。日常のありがちな風景に見えるが、実はこれらは、体中に張り巡らされているさまざまな体内時計が乱れ、時差ボケを起こした結果なのだという。
体内時計が乱れると、脂肪の燃費が悪くなる。すると、体脂肪が増加し太りやすくなる。食べていないのに痩せない、ちょっと食べただけなのにすぐ太ってしまう――。そんな悩みは、体内時計の乱れに原因があるのかもしれない。
「空腹リセットダイエット」は、この体内時差ボケを正し、やせやすい体へと導くメソッドという。
古谷さん自身も、この空腹リセットで減量に成功した一人だ。産後20㎏近く体重が増えてしまったとき、自身が研究をしている「時間栄養学」に基づいて編み出したのが「空腹リセットダイエット」だった。
まず夜型を朝型に切り替え、7時頃に朝食をとり、夜は18〜19時頃に夕食を終え、22〜23時頃には就寝という生活に生活リズムを修正。その生活を続けた結果、わずか1年で17㎏減を達成した。その際、食べるものには気を付けたものの、量を減らすことはなかったという。
本書では、3名のモニターが「空腹リセットダイエット」に挑戦。1〜3週間ほど実践し、3人とも1~2kg減に成功している。
空腹リセットダイエットのメソッドは、10時間〜12時間ほど食べない時間を作ることで、体内時計と胃の中をリセットし、痩せやすい体へと導くというもの。決まった時間に起床し、朝食と夕食の時間を一定にすることで、かたまった空腹時間を作ることができる。
たとえば、朝7時起床と決めて8時までに朝食を摂り、夕食は19時〜20時に終えるとすると、無理をせずとも、次の日の起床時間までの間に10〜12時間の「食べない」時間ができる。
夜勤の人も同じ。夕方17:00に起きるとして、18:00までに最初の食事をとり、早朝6時に最後の食事を終えたとすると同様に10~12時間の空腹時間ができる。
大切なのは、休日もなるべく決まった時間に起きることを意識し、このペースを乱さないことだという。週末に朝寝坊してしまうと、体内時計が一気に乱れてしまうからだ。
また、この生活が習慣化されると、痩せを促進するだけでなく、月曜日が憂鬱な気持ちになる「マンデーブルー」も解消され、ストレスや集中力の低下の改善のきっかけにもなるという。
「朝食べられない......」という人も、まずなんでもいいから食べるという習慣をつけることが大事なのだという。
あるアメリカの研究では、朝食を500kcal食べる人と700kcal食べる人とでは、後者の方が痩せやすいという結果がある。朝食を重点的に摂ることは、体の代謝や一日の食事全体の満足度を高め、食べすぎ防止にもつながるのだ。
また、たんぱく質、特に魚を多く摂るとより効果があり、なかでもマグロは体内時計を大きく動かす性質があるため、ツナ缶が朝食にも取り入れやすく、空腹リセットダイエット中には欠かせない食材としている。ほかにも、納豆や豆腐などでたんぱく質をプラスすると、その効果はさらにアップするとのことだ。
空腹リセットダイエットの魅力は、苦しい食事制限もなく、人それぞれの生活リズムに合わせて実践できるところにある。産後なかなか痩せられない、年齢とともに代謝が落ちているという人でも無理なくトライでき、かつ効果を感じることができるという。「瘦せたいけど無理なダイエットはできないし、したくない」という人にはオススメの1冊かもしれない。
■古谷彰子さんプロフィール
ふるたに・あきこ/愛国学園短期大学 准教授、早稲田大学規範科学総合研究所ナノ・ライフ創新研究機構 招聘研究員、あきはばら駅クリニック非常勤管理栄養士として勤務する。「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチすることを専門とし、ChronoManage代表として起業。科学的根拠を基にしたライフスタイルへのアドバイスや栄養指導、実体験を基にした食育活動や講演活動、料理教室も開催している。研究や講師のかたわら、1児の母としても日々奮闘中。自身も産後太りに悩み、時間栄養学に基づいた手法で17kgの減量に成功。近著に『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学 』(宝島社)、『時間×食事で賢い子が育つ! 簡単・最強子育て』(幻冬舎)。
当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?