更年期前後になると、女性ホルモンの乱れからデリケートゾーンの悩みが増えてくる。かゆみ・におい・尿もれ・できもの・ゆるみ・痛み・黒ずみなど、人には言いにくいトラブルの理由は「潤いレス」かもしれない。
2023年1月26日『女医が教える 潤うからだづくり』が発売された。二宮レディースクリニック院長・二宮典子さんが女性ならではの悩みの解決法を紹介していく。
二宮さんは、細胞の中にも外にも十分な水分がある状態を「潤う」と呼ぶ。体の中でも特に粘膜の潤いが大切だという。デリケートゾーンに関わる膣周りにも潤いが必要なのだ。
二宮さんは、「膣まわりだけは乾燥しているのが普通」というのは間違った認識だと指摘する。
おそらく、潤いとオリモノを混同していることが多いのではないでしょうか？
増えたオリモノで下着が汚れないようにオリモノシートをつけてしまうと、実はさらに通気性が悪くなり、いつまで経っても快適な腟まわりにはなりません。
また、かゆみがあるからと言ってゴシゴシと洗うのはNG。弱っているデリケートゾーンに、さらにダメージを与えてしまう。本来、腟や腟まわりは粘膜で覆われた場所なので、適切に潤った環境であれば変なにおいもしなければ、膀胱炎や腟炎の原因菌も増殖しないという。つまり、腟まわりが潤っていることこそが、若々しさと健康の秘訣なのだ。
「潤うからだ」の維持には筋トレが大切だ。骨盤のまわりを意識した運動に効果があるという。本書から一部紹介していこう。
＜寝ながら骨盤底筋トレーニング＞①あお向けになってひざを立てる。ひざの間はこぶし1～2個分開く。両手はからだの横に伸ばす。
②お尻を持ち上げて「20秒引き締め」→「下げて５秒休憩」を3回繰り返す。
1セット25秒×3回を1日5セット行う。
両足はまっすぐ前に向けて、両手をゆるっと上に伸ばす。リラックスして左右にゆ～らゆ～らとゆれる。
1セット30秒×3回を1日3セット行う。
立ってかかとをつけたまま、足をVの字に開く。足は60度くらいに広げて、ひざを落としてかがんだら、ゆっくりお尻の力で立ち上がっていく。
①息を吐きながらゆっくりひざを曲げ、お尻を下げる。あまり深く曲げなくても大丈夫
②ゆっくり息を吸いながらひざを伸ばす。後ろ重心で肛門まわりをキュッと引き締める。①と②を繰り返す
1セット30秒×3回を1日3セット行う。
デリケートゾーンの悩みを解消するだけでなく、気分をリフレッシュするのも兼ねて、潤いキープのトレーニングをしてみよう。
■二宮典子さんプロフィール
にのみや・のりこ／二宮レディースクリニック院長 泌尿器科専門医・指導医 性機能専門医 漢方専門医
大阪府出身。香川大学医学部卒業。研修医機関を経て、大阪市立大学医学部泌尿器科入局。2015年、女性医療クリニックLUNA心斎橋開院。2021年、二宮レディースクリニック開設。ていねいな診療とわかりやすいアドバイスで患者さんからの信頼も厚く、ファンが多い。YouTubeチャンネル「ココシカ診療所」の登録者は３万人超。
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