最近、ニュースなどで「インボイス制度」という言葉をよく耳にするようになった。特に売上1000万円以下のフリーランスに影響が大きい、消費税に関する新制度だが、現在フリーランスの人や副業をもっている人、そして彼らと取引がある会社員の人たちにも関わりがある。
2022年12月22日に発売された『マンガでわかる フリーランスのお金のことぜんぶ教えてください!』(ワン・パブリッシング)は、このインボイス制度を始め、確定申告や節税、資産運用など、フリーランスのお金にまつわるあれこれをマンガでわかりやすく解説している。
会社員とフリーランスとの違いに始まり、副業から始めて顧客をゲットする方法、普段からできる節約術、お金で損しない思考法まで、フリーランスの人だけでなくこれからフリーランスになりたい人にも必読の内容だ。
今回は本書をもとに、2023年10月からスタートするインボイス制度について改めて見てみよう。
いわゆるインボイス制度、正式には「適格請求書等保存方式」は、税率ごとの税額や事業者の登録番号などが明記された書類「インボイス(適格請求書)」に基づき、消費税の仕入税額控除を計算して証拠資料として保存する方式のこと。
インボイス制度が導入されることで、事業者はインボイスに記載された消費税でないと、税額控除が受けられなくなってしまう。
「企業がフリーランスから請求書をもらう場合、制度に準じた『適格請求書』でないと、企業側が支払う消費税が増えてしまいます」
企業の消費税が増えるだけでフリーランスには関係ない......と思いきや、フリーランス側は、インボイスを発行できる「課税事業者」にならないと仕事がもらえなくなってしまう可能性があるという。
「インボイス制度の問題点のひとつとして挙げられているのは、企業は『課税事業者』による『適格請求書』をもらわないと、消費税の負担が増えてしまうので、同じ仕事を発注するなら、課税事業者を優先することが予想されるのです」
現状、課税売上が1000万円以下のフリーランスは「免税事業者」として、消費税を納めることが免除されている。しかし、インボイス制度の導入によって、たとえ売上が1000万円以下だとしても課税事業者になりインボイスを発行しなければ、仕事が減ってしまう恐れがあるのだ。
つまり、今まで免税事業者としてやってきたフリーランスは、「課税事業者になってインボイスを発行し、消費税を納める」か「仕事が減るリスクを承知の上で免税事業者を継続する」かの二択を迫られていると言える。
本書では、「フリーランス受難の時代が2023年10月1日から始まる」と述べた上で、こうまとめている。
「企業によっては自らの税負担が重くなったとしても、信頼しているフリーランスとの付き合いをそれまで通り続けていこうとするケースもあるでしょう。私たちにできることは、制度の変更に一喜一憂せず、目の前の仕事を評価されるように取り組むことしかないかもしれません」
本書の目次は、以下の通り。
はじめに
第1話 フリーランスになりたい!
第2話 副業から始めてみよう!
第3話 開業する前の準備
第4話 さあ、開業しよう! 第5話 フリーランスのお金はこう管理する!
第6話 確定申告なんて怖くない!
第7話 忘れたころにやってくる税金
第8話 退職金と老後資金を準備しよう!
第9話 フリーランスこそ資産運用をせよ
第10話 お金で損しない節約術
第11話 フリーランスがお金で損しない思考法
■田口智隆さんプロフィール
たぐち・ともたか/1972年、埼玉県生まれ。株式会社ファイナンシャルインディペンデンス代表取締役。34歳でお金に不自由しない状態「お金のストレスフリー」を実現し、2007年に同社を設立。2009年に出版した処女作『28歳貯金ゼロから考えるお金のこと』が5万部を超えるベストセラーに。日本各地で「学校では教えてくれないお金の授業」の講演を1000回以上行っているほか、『お金の不安が消えるノート』(フォレスト出版)、『入社1年目のお金の教科書』(きずな出版)など著書多数。累計100万部を超える、お金本のミリオンセラー作家。
(文・犬飼あゆむ/ライター)
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