2023年11月1日、行動経済学者のエヴァ・ファン・デン・ブルックさんと、行動デザイナーであるティム・デン・ハイヤーさんの共著『勘違いが人を動かす 教養としての行動経済学入門』(ダイヤモンド社)が発売された。翻訳は児島修さん。
本書は、人間の選択と行動に密かに影響を及ぼす71の認知バイアスを紹介したオランダのベストセラー。日常生活にあふれる、私たちを誘導しようとする様々な仕掛けである「認知バイアス」に関する研究を多数紹介。面白くてタメになる71の「認知バイアス」を、世界各国の事例を通して分かりやすく伝えている。
「認知バイアス」への理解を深めることは、様々なリスクから自分の身を守るためにも、うまく相手を動かして目的を達成するためにも役立つとされる。
レストランでワインを注文する際、なぜメニューの一番上にとびきり高い値段のワインが書かれているのか? スーパーで買い物をするときに、なぜレジの近くにセール品の甘いお菓子が置いてあるのか? 日常生活の謎を解く、行動経済学の入門書としてもピッタリの1冊だ。
■目次
はじめに
「論理」よりも「情熱」よりも、「人を動かす」もの人を動かす「ハウスフライ効果」と認知バイアス
「行動科学」を効果的に使うための注意点 ...など
第1章 脳に騙される私たち──自分にとって都合のいいことばかり考えてしまう理由
「私だけに当てはまる!」と誰もが思っている
「頭で考えて動く人」と「直感的に動く人」は決定的に違うのか?
無知な人より、知識が豊富な人のほうが自信を持てない理由 ...など
第2章 なぜ人は怠けてしまうのか──「面倒くさい」を脱し「すぐやる人」になる方法
「20ドルもらうために27ドル払う」人
自殺者すら減らす「面倒くさい」の力
「なぜなら」と言うだけでうまくいく ...など
第3章 「想像の痛み」から逃げたい──不安やストレスに振り回されない技術
「お金を使う」のは身体的に痛い
「経済的な不満」を感じると、人は食べ過ぎてしまう
病気にかかるよりもワクチンの副作用が怖い ...など
第4章 「人と同じ」じゃないと不安──「同調」と「社会性」を使いこなす
なぜ私たちは「限定」に弱いのか
「良くない行動」を指摘しても改善されない理由
「いいこと」を言う人は「いいこと」をしない ...など
第5章 「今すぐ欲しい」が「まだやりたくない」──「時間」を効率的に使うコツ
スーパーが「野菜売り場」から始まるのはなぜ?
「終わりよければすべて良し」は科学的に正しい
「先延ばし」をやめて「すぐやる人」になる方法 ...など
第6章 知らぬ間に注目している──誘惑の仕組みを利用する
iPodに「白いイヤホン」をつけたアップルの戦略
自己紹介の目的は「共通点」を探すこと
頭のいい人が「喩え」をうまく使う理由 ...など
第7章 報酬はどう与えるべきか──「アメとムチ」をうまく使うために
報酬が「逆効果」になる場合もある
「搾取された」と感じるだけで、心臓病につながる危険がある
「お金が絡む職業の人」は、不正をしやすいのか? ...など
■エヴァ・ファン・デン・ブルックさんプロフィール
行動経済学者。ユトレヒト大学講師。人工知能を研究し、行動経済学の博士号を取得。大学、政府、企業での応用行動研究において15年の経験を持つ。消費者がより持続可能な選択をすることができるよう、より良い行動インセンティブを設計する組織を支援している。オランダ政府のキャンペーンなどにも携わる。
■ティム・デン・ハイヤーさんプロフィール
クリエイティブ戦略家、行動デザイナー、コピーライター。広告代理店B.R.A.I.N. Creativesの創設者。ハイネケンやイケアなど、世界的に有名なブランドの広告に20年間携わる。ニューヨークからカンヌまで、数々の賞やノミネートを獲得してきた。ライデン大学オランダ語言語学修士号。マスコミュニケーション副専攻(ユトレヒト大学)。行動デザイン(BDA)、行動経済学(トロント大学)、神経マーケティング&消費者神経科学(コペンハーゲン・ビジネススクール)の修了証書を取得。
■児島修さんプロフィール
こじま・おさむ/英日翻訳者。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。おもな翻訳書に『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)などがある。
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