15歳で仏門に入り、朝から晩まで掃除と修行の日々を過ごした光永圓道さん。
28歳になると、苛烈な修行「千日回峰行」に挑んだ。地球1周分に相当する約4万キロメートルを7年かけて徒歩で巡礼して、9日間にわたって断食・断水・不眠・不臥で不動明王を念じる修行で、織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした1571年以降、満行した者はたった51人だけだという。
11月に刊行された著書『比叡山大阿闍梨 心を掃除する』(小学館)では、そんな命がけの荒行を達成した「現代の生き仏」、光永さんが、心の整え方を説いている。
光永さんは、困難や問題に直面した時、「自分」だけに目を向けてはいけないと言う。難しい物事に立ち向かうため、最初に手を付けるべきは「環境」を整えることだ。その環境とは、人間関係に限らない。自宅や仕事場なども自分を取り巻く環境のひとつ。掃除をして身の回りを清めることが心の整理につながる、と説く。
本書では、「床にものがあってはいけない」「ゴミ箱の『ふさわしい場所』は3か所だけ」など、荒行で体得した「良く生きるための気づき」を誰しも生活の中で行う「掃除」を通して得る方法を教えてくれる。
本書の目次は以下の通り。
第1章 生きることと、修行すること
第2章 心よりも、まずは形から身につけなさい
第3章 ものは「ふさわしい場所」に置かれれば、それだけで美しい
第4章 なぜ掃除をするのか。明確な目的を持ちなさい
第5章 あなたはひとりではない
第6章 掃除を通して、自分と向き合う
第7章 続けるためには喜びを
第8章 自分のため、を超えて
年末の大掃除に向かう心がポジティブになりそうだ。新年に向けて、身の回りの掃除に加えて自分自身の心の中も整えていこう。
■光永圓道さんプロフィール
みつなが・えんどう/
1975年、東京都に生まれる。1990年、比叡山にて得度受戒。1997年、花園大学仏教学科卒業。2000年、延暦寺一山・大乗院住職。2008年、明王堂輪番拝命。2009年、千日回峰行満行。北嶺大行満大阿闍梨。2015年、十二年籠山行満行。現在、大乗院住職、覚性律庵住職。
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