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冷たい印象になりがちなビジネスメール。「温かさ」をプラスする一言とは? 『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(1)

短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本

 メールの文面だけで感情を伝えるのが難しい! 特にビジネスメールだと、どうしても淡々と冷たい印象になってしまう。メールで相手に好印象を与えるには、どうすればいいの?

 そんなお悩みに、手紙コンサルタントの亀井ゆかりさんが応えてくれる本が『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(日本実業出版社)だ。メールの例文を中心に、「感じがいいメール」を書くテクニックをわかりやすく教えてくれる。

 BOOKウォッチでは、本書「第3章 ワンランクアップするための表現方法」から、全2回の試し読みをお届けする。第1回は、「MAIL1 親近感・温かさのあるメールにするためには」だ。冷たい印象になりがちなメールに、温かさを加えるテクニックとは?


(以下、本文より)

 良いビジネスメールとは、きちんとした形式をはずしていないにもかかわらず、受信者が「語りかけられている」と感じるようなメールです。そういったメールの内容は、自然と頭に入ってくるものです。また、相手の印象に残るメール文とは、自分なりの言葉や思いが素直に書かれたものです。それは書き手の顔が浮かんでくるような文です。

 しかし、自身の言葉ばかりですと、文面は個人的で相手との距離感が近すぎるものになってしまいます。形式をしっかりと守りながら、自分らしさも盛り込む、これが簡単にできたら素敵ですね。そんな方法をいくつか紹介いたします。

■自分の言葉を追加する

 形式的な内容のビジネスメールを送らなければならない時、型を守りつつ、そこに自分らしさや存在を匂わせたいと思うことはありませんか。このような時は、定型文にひと言、「自分らしい」言葉、気持ちや表現を入れてみてください。すると、形式を崩すことなく、文面に気持ちがこもり、特別にその受信者のために書かれたメールという印象が伝わります。

 簡単な一文を入れるだけで、伝えたい内容はそのままで雰囲気が一気に変わるので、この方法は便利です。

〈SCENE イベントを終えて〉

さて、本日、無事にイベントを終えることが
できましたので、ご報告するとともに、
ご協力に深く感謝申し上げます。

ようやく大きな肩の荷がひとつ下りました。(①)
只今は、○○様とよいお仕事をさせていただいた幸せに
浸っています。(②)
あらためまして、今後とも温かいお力添えを
いただけますようお願い申し上げます。

①自分らしい言葉をプラス!
▶ 思い描いたものが実現できました。
▶ 反省点はあれど、やり切った感でいっぱいです。

②親近感・温かさが伝わるフレーズ
▶ ○○様にはいろいろとお骨折りいただきまして、
 本当にありがとうございました。おかげさまで
 記憶に残るイベントになったと自負しております。
▶ イベント中は曇天にもかかわらず、
 入場者数、売り上げ数ともに
 目標を大きく上回ることができました。
 これも○○様の魅力的な企画のおかげでございます。

〈SCENE 出張されていた方へ〉

一昨日、ドイツ出張よりご帰国されたとのこと、
おかえりなさい、(①)
お疲れさまです。(②)

さっそく恐縮でございますが、
来週のお打ち合わせについて明後日までに
1 件お問い合わせしたいことがございます。

お手数ですが、落ち着かれましたら
ご連絡くださいますようお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

①自分らしい言葉をプラス!
▶ 本場のビールはいかがでしたか。
▶ フランクフルト~東京、長時間のご移動は
  大変だったかと拝察します。
▶ 改めて日本の蒸し暑さに驚いてはいませんか。

②相手への労いの言葉
▶ 実り多い旅だったと伺っています。
▶ 少しはお休みになれましたでしょうか。案じております。

〈SCENE 贈り物をいただいた〉

このたびはお心づくしのお中元の品を賜り、
まことにありがとうございました。
先ほど帰社し、拝受したところでございます。

涼風とはこのことです。(①)

いただいたゼリーの爽やかな甘酸っぱさに
しばし暑さを忘れ、皆とご好意を頂戴いたしました。(②)
○○様のご厚志に心より感謝し、お礼申し上げます。

また、今後も変わらぬお力添えのほど、
よろしくお願い申し上げます。
まずは拝受のご連絡とお礼のみにて失礼いたします。

①自分らしい言葉をプラス!
▶ 温かいお気遣いにしびれます。
▶ ○○様のエールが聞こえるようです。

②喜びを言葉にする
▶ 思いもよらない贈り物をいただき、感激しております。
▶ 過分なご配慮に、なんとお礼申し上げればよいか、
 言葉もありません。

〈SCENE 打ち合わせの約束をする〉

先日、貴社を失礼する際、少しお話しさせて
いただきましたが、今度の「街中バル」の企画について、
ご提案がございますので
来週、お時間をいただけましたら幸いです。

現在○○様は、バルに向けての下準備で、
ご多忙の極みの真っ只中と存じますので、(①)
ご無理を申し上げ恐縮ですが、(②)
ご都合のよい時間にお伺いいたしますので、
ご連絡くださいますようよろしくお願い申し上げます。

①自分らしい言葉をプラス!
▶ 街中バルも開催10周年を迎え、節目の企画に
 大変悩まれているとのこと。お疲れのところ、
▶ ○○様には、例年の3倍の規模でのバル開催が決まり、
 様々な課題の解決に、お忙しく
 ご心労の絶えない毎日かと存じますので、

②クッション言葉
▶ わがままを申し上げますが
▶ 急なお願いで申し訳ありませんが

(以上、本文より)

 労いやクッション言葉などの気遣いが表れるフレーズに、「自分らしい言葉」をプラスすると、ビジネスメールでも親近感や温かさを出すことができる。ぜひ試してみてほしい。

 試し読み第2回〈約束をキャンセルしたい。きっぱりと、でも「感じよく」伝えるには? 『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(2)〉もお楽しみに。

■亀井ゆかり(かめい・ゆかり)さん
手紙コンサルタント。兵庫県在住。関西外国語短期大学を卒業後、大手通信機器メーカーに就職し、役員秘書を務める。結婚を機に退職した後、同僚の推薦で挨拶状を中心とした代筆業を始め、大企業から個人経営の店舗まで、あらゆる業態の顧客に向けて28年間で代筆した手紙は30万通を超える。現在は、代筆業だけでなく「自筆の手紙は思いを伝える最高の手段」という信念のもとに、手紙コンサルタントとして、学校、個人の手紙相談、手紙指導なども行っている。


※画像提供:日本実業出版社


  
  • 書名 短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本
  • 監修・編集・著者名亀井 ゆかり 著
  • 出版社名日本実業出版社
  • 出版年月日2022年10月14日
  • 定価1,540円(税込)
  • 判型・ページ数四六判・208ページ
  • ISBN9784534059550

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