メールは、デジタルの文面で伝えるコミュニケーションツールだ。手書きの手紙のような自筆の温かみはなく、電話のように声色を使うこともできない。あっさりして見えるかも、怒っているように見えるかも......メールで感情を伝えるのに苦労しているという方は多いのではないだろうか。
短いメールでも相手に好印象を与えるには、少しのテクニックが必要だ。そのテクニックを、手紙コンサルタントの亀井ゆかりさんが、例文を交えてわかりやすく教えてくれる本がある。『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』(日本実業出版社)だ。
たとえば、社内メールでこんなやり取りがあるとしよう。
Aさん「電車遅延のため、プレゼン遅れます」
Bさん「了解。お疲れさまです」
これだけでも要件は十分伝わる。簡潔で正確だ。しかしここに亀井さんがひと工夫加えると......。
Bさん「了解。お疲れさまです。対応します」
たったこれだけでも、Aさんは安心するだろう。さらに、
Bさん「了解。豪雪には勝てません。お疲れさまです」
とすると、Aさんは「状況を把握して、理解してくれた」と感じるはずだ。
Bさん「了解。駆け足、お疲れさまです」
こんなふうにすると、Aさんは駅から走ってくるはず。このように、ごく短いメールの中でも、ちょっとしたフレーズの工夫で相手への伝わり方ががらりと変わる。
本書では、ビジネスメールの基本的な書き方をレクチャーした後、「よくあるシーン」「ワンランクアップ」「『ちょっと素敵』と思わせる」と、難易度別に「感じがいいメール」のコツを、例文を中心に解説している。本書のテクニックをマスターしたら、メールひとつで仕事や人間関係が好転するかも。
〈目次〉
第1章 まずはメールの型を知ろう
1 もう迷わない「宛名」の書き方
2 気づかいが表れる「署名」の書き方
3 「件名」の付け方で伝わり方は変わる
4 「書き出し」のバリエーションを持つ
5 パッと読みやすくなる「改行」のコツ
6 読みやすいフォントとサイズを選ぶ
7 意外と知らない「転送」と「引用」のルール
8 相手が見落とさない添付ファイルの付け方
9 「CC」と「BCC」の使い方
第2章 よくあるシーン
1 簡潔に伝わる依頼
2 興味を持ってもらえる招待
3 失礼にならない伝わる催促・督促
4 感謝の気持ちが伝わるお礼
5 誠意あるお詫び
6 淡々と伝わる苦情
7 気持ちが伝わるお祝い
8 気づかいあるお見舞い
9 関係の浅い相手に営業メールを送る
第3章 ワンランクアップするための表現方法
1 親近感・温かさのあるメールにするためには
2 自分の言葉で書いてから整える
3 相手の名前を文中で呼びかける
4 「ひらがな」を使って印象をやわらかくする
5 気持ちの良い表現を心がける
6 「謝罪」より「感謝」で前向きな印象に
7 疑問形を使えば相手を説得しやすい
8 同じ言葉を繰り返し使わない
9 読点の位置でスパイスを効かせる
10 「オノマトペ」を使うとストレスが軽くなる
11 日常の挨拶言葉や会話文を用いる
第4章 「ちょっと素敵」と思わせるコツ
1 人柄が見える言葉を入れる
2 相手との距離感に合った表現にする
3 相手の心情を想像して書く
付録
・メールでも使える時候の挨拶
・使える短いフレーズ
・クッション言葉
・尊称と謙称
・よく使う敬語
・忌み言葉
・メールで行う季節の挨拶
■亀井ゆかり(かめい・ゆかり)さん
手紙コンサルタント。兵庫県在住。関西外国語短期大学を卒業後、大手通信機器メーカーに就職し、役員秘書を務める。結婚を機に退職した後、同僚の勧めで挨拶状を中心とした代筆業を始め、大企業から個人経営の店舗まで、あらゆる業種の顧客に向けて28年間で代筆した手紙は30万通を超える。現在は、代筆業だけでなく「自筆の手紙は思いを伝える最高の手段」という信念のもとに、手紙コンサルタントとして企業、学校、個人の手紙相談、手紙指導なども行っている。
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