学校から持って帰ってくる大量のプリント類、昔使っていた教科書・ドリル......子どもがいると部屋が散らかるのは仕方ない。そう諦めている人にこそ手に取ってみてほしい、画期的な片づけ本がある。
それが、つい溜め込みがちな「紙類」を整理する方法に特化し、実践的なアドバイスを幅広く解説した『人生が変わる 紙片づけ!』(ダイヤモンド社)である。
前回は、紙が散らかる原因と処理のコツを紹介した。今回は、特に煩雑になりがちな「子どもに関係した紙類を整理する方法」にフォーカスして紹介したい。
捨てられない紙類の筆頭に挙げられるのが、子どもがくれた手紙や描いた絵などの作品だ。著者の石阪さんは、ファイルボックスやフタつきの箱など「収納の枠」を決めて、そこがいっぱいになったら処理する方法を勧めている。
さらに、作品はしまいこまず壁などに飾るのも効果的だそう。お客さんの目に触れ、ほめてもらえた体験が子どもたちの自信やモチベーションにもつながるからだ。飾った作品は、「もうこれ捨てるよ」などとは言わずにしばらく経ったらこっそり処分するのを推奨している。
せっかく子どもが頑張って作ったものを捨てるのは、抵抗がある人も多いかもしれない。けれど、本書では子どもの作品はいわば「抜け殻」のようなものだと説明する。
「子どもは成長する過程でたくさん抜け殻を残していきます。どんどんバージョンアップして、蝶になって羽ばたいていきます」
「その抜け殻をお母さんが一生懸命拾って集めて、家の中を狭くするよりは、今のお子さんが羽ばたけるスペースを作ってあげたほうがいいのではないでしょうか」
片づける心理的ハードルがあるとき、参考にしたい考え方だ。もちろん、子ども自身も気に入っている作品を処分するときは、事前に確認したほうが安心かもしれない。
作品以外で管理に悩むものに、教科書やドリル、プリントなどの教材類がある。
石阪さんの判断基準は、「前年度より前のものは捨てる」。たとえば小学3年生になったら、1年生のときの教材は捨ててしまう。
いつか見直すかもしれないし......と不安になるかもしれないけれど、新しい学びのために場所を空けておかないと教材の整理ができず、今やるべきことが滞ってしまうという。
小学校低学年の頃は処分するタイミングなどを保護者が決め、だんだんと子ども自身で必要/不要の判断をする練習をさせていくのが理想的だ。
「学校の中のことは、本来、お子さん本人がやるべきことです。
でも、小学生のうちはやり方を知らないから、一緒にやって教えてあげる。中学生ぐらいになったら、本人に任せて、親はお金に関わるような裏方の作業に徹する。そのほうがいいかなと私は思います」
教材をむやみにとっておくのではなく、処分する過程それ自体をある意味で「自立の教材」にする。そのように考えてみれば、捨てることへの抵抗感も減るのでは。
本書では、他にも家族で共有しておきたい書類の管理の仕方や、ペーパーレスのためにおすすめのアプリなど、子どもの学校生活で無限に増えがちな紙類を処理するためのコツが幅広く解説されている。
子どもがいると部屋が散らかるのは仕方ない......と諦めている人も、目からウロコが落ちること請け合いだ。
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