人は歳をとると、体力や知力よりも先に、"思わぬところ"から老化する。
その"思わぬところ"とは、「感情」だ。
『80歳の壁』(幻冬舎)がベストセラーとなった医師・和田秀樹さんの著書『医者が教える 50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が発売された。
本書の「はじめに」冒頭で「人は感情から老化する」という意外な事実が明かされている。
「感情が老化する」とはどういうことか。科学的に言い換えると、「脳の前頭葉が老化する」ということだ。
言語を司る側頭葉や、計算能力に関係する頭頂葉は、比較的かなり高齢になるまで老化しない。一方で、感情をコントロールし、意欲や創造性を司る前頭葉は、だいたい40~50代から萎縮して老化し始める。
「感情の老化」を放っておくと、ボケやすくなり、体も見た目もどんどん老け込んでいく。裏返すと、「感情の老化」を防ぐことができれば、他の脳の機能や体の老化も食い止めることができるのだ。
どうすれば「感情の老化」を防ぐことができるのか。その最も有効な方法は、前頭葉の機能そのものを普段からフル稼働させること。よく歩く人は足腰が丈夫で、歩かなくなったとたんに足腰が衰えるのと同じことだ。
前頭葉の機能をフル稼働させるのに大切なのは、以下の3つだ。
①努めて意欲的になり、前向きな感情に自らを導く
②頭の切り替えを速くする
③創造力を磨いて働かせる
加えて大事なポイントが「出力(アウトプット)」だ。脳の中で記憶=「入力(インプット)」に関わるのが側頭葉や頭頂葉なのに対して、前頭葉は記憶や情報を引っぱり出す「出力系」に関わっていると考えられている。情報を脳から「出す力」を意識すると、前頭葉が活性化されるのだ。
本書では、以下のような「感情の老化」を防ぐための日常習慣がたっぷり解説されている。
・「歳だから」を言い訳にしない
・「アレ」「ソレ」「コレ」を使わない
・新しい人と知り合う
・なじみの店ばかりに行かない
・バラエティ番組は観ない
・欲しいもの・欲しかったものを買ってみる
・昔の自慢話はしない
・あえて「ムカつく」本を読む
・ラクチンな服を着ない
・必要になったら迷わず老眼鏡をかける
あなたの習慣は感情を老化させているかも? ボケや老化を止めたいなら、まず感情からアタック。
【目次】
はじめに
序章 50代からは「脳の老化」に気をつける
第1章 脳の「出力系」を鍛える
第2章 脳の「変化対応力」を鍛える
第3章 感情の老化・思考の老化を防ぐトレーニング
第4章 日常の行動・習慣から「脳の若さ」を保つ
■和田秀樹(わだ・ひでき)さん
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。
1987年『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られる。
著書に『50歳からの勉強法』『医学部の大罪』『脳科学より心理学』『悩み方の作法』『40歳からの記憶術』『一生ボケない脳をつくる77 の習慣』(以上ディスカヴァー)『テレビの重罪』(宝島社新書)『マスクを外す日のために』『80歳の壁』(幻冬舎新書)『受験は要領』(PHP文庫)など多数。
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