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子育てブラックジャックが指摘する「典型的なダメ親」とは?

子育てのほんとうの原理原則

 あなたの子育てに「プリンシプル(原理原則)」はあるだろうか。

 「ゲームは30分まで」と決めたのに、いつまでも止めようとしない、お手伝いを日課にしても続かない、相手にしないとすぐに怒りだす......。我が子は可愛いし愛しているが、疲れているとき、何度も同じことを言い聞かせなくてはならないと、親もウンザリして「もういいや」という気持ちになってくる。さらには、子どもが同じことをやらかしても、許せる・許せないはその時の気分に左右されてしまう。「われながらブレてるワ...」と反省しきり。そんなことは子育てをしていれば日常茶飯事だ。

 だから、子育てにおいて「プリンシプル」なんてものは破られるためにあるようなものだと思っていたが、本書『子育てのほんとうの原理原則』(TAC)の著者、奥田健次さんは、そんな親を叱咤する。

世の大人たちは、「子どもがダメになること」ばかりやっています。
(中略)
親が行動を変えないと、子育てはいい方向に向かっていきません。
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ムードや気分に流されない

 専門行動療法士・臨床心理士の奥田さんは、発達につまずきのある子とその家族に向けて、出張カウンセリングを行っている。2018年には、日本初の行動分析学を用いたサムエル幼稚園を開設。さらに、いじめ防止プログラムを導入する小学校を準備するなど、「子育てブラックジャック」として注目を集めている。

 奥田さんは、つい流されてしまう、すぐ叱ってしまう、育て方に自信がない、という親や家庭に足りないのは、「プリンシプル」だと断言する。子育てにおけるプリンシプルとは、「親子関係の秩序」「公共のルール」「自然の摂理」などを指す。その日の感情や気分、そのときの都合や事情によって態度がまったく変わってしまう、「ムードに流される」親は、「典型的なダメ親」だと厳しく指摘する。

<たとえば、「今は一個だけ」と決めたら、何が何でも守るのです。
 ムードや気分に流されず、どんなときも「金太郎飴」のように 同じ態度、姿勢でいることが必要です。>

 本書では、子育てに悩み続けるパパ・ママにおくる、「これだけは、絶対守りたい20のこと」が紹介されている。親に求められる姿勢や自立をうながす育て方など、気になることばかりだ。

PART1 これだけは、絶対守りたい20のこと①
・親に求められる姿勢 ・典型的なダメ親とは
・わが家のルールのつくり方 ・家庭でのルールの守らせ方
・親と子の立場と役割 ・目指すべき家族のあり方
・「子ども」の奥田流分類 ・自立をうながす育て方
・ストレスを乗り越えさせる ・子育てに役立つ催眠、魔法

PART2 これだけは、絶対守りたい20のこと②
・失敗経験から学ぶこと ・効果的な目標設定の技術
・うまい叱り方とダメな叱り方 ・動因と抑制のバランス
・公共心と私心 ・演出家、プロデューサーになる方法
・感情コントロールの大切さ ・スマホ、携帯電話との向き合い方
・不登校のリスクを高める子育て
・「親子ともによい育ち」、日本初の幼稚園で行われている教育

 さまざまな場面で迷う子育ても、自分の中で「絶対守る」という行動指針をもっておくと、判断に自信を持てるようになるだろう。我が子との向き合い方に悩んでいる方はぜひ、本書を開いてみてほしい。ただし、「典型的なダメ親」の一人としてひとつ忠告しておく。いろいろと耳の痛いことが書かれているので、覚悟して読んでいただきたい。


※画像提供:TAC株式会社


  • 書名 子育てのほんとうの原理原則
  • サブタイトル「もうムリ、助けて、お手上げ」をプリンシプルで解決
  • 監修・編集・著者名奥田健次 著
  • 出版社名TAC出版
  • 出版年月日2022年6月20日
  • 定価1540円(税込)
  • 判型・ページ数280ページ
  • ISBN9784300101872

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